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山口敏太郎のオカルト現象解析シリーズ2 9月26日人類滅亡説は、根拠がない妄言である

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画像はイメージです。

 『9月26日にエレニン彗星が飛来し、太陽・エレニン彗星・地球が一列に並び、大規模な天変地異が起こる』という妄言がネットや口コミで広がっている。中には『3月11日の東日本大震災も太陽・エレニン彗星・地球が一列になった惑星直列の日に起きているから、今回も危ない』というアメリカ在住の女性霊能者9Naniaの主張もあり、ヒートアップ気味である。

 この『9月人類破滅説』には、例によって眠れる預言者・ジュセリーノの『9月日本地震説』も加わり、俄かにクローズアップされている。この『9月人類破滅説』により、夜も寝れない程、悩んでいる子供たちも出てきているらしく、オカルト=エンタメという概念をベースに据えても看過できない状況になりつつある。

 はっきり断言すると、『9月人類破滅説』はまったく根拠の無い妄言に過ぎない。米国の霊能者・9Naniaの説も、ブラジルの預言者ジュセリーノの夢も合理的な論説、客観的なデータに基づいたものではない。あくまで、彼らの主観から生み出された個人の“感覚”“個人予想”に過ぎない。

 さらに踏み込んで断言すると、オカルト的な情報を扱う雑誌や一部の霊能者・カルト教団の教祖が営利目的のために意図的に破滅論を流す事があるのだ。人々の恐怖心を煽ることで金を巻き上げる連中の扇動に乗ってはいけない。

 本来オカルトとは、哲学的や民俗学的なものであったり、明らかに創りこまれた健全なエンタメの一種であるべきなのだ。故に筆者は、最初からネタという前提で明るくジョークとして、不思議事件を報道している東京スポーツのスタイルを高く評価している。

 もはや、妄信者を育成し、集金システムの一環に組み込むような従来のやり方では通用しない時代になっているのだ。オカルトは、テレビショーやイベントとして創られたエンタメ、小説や漫画に使用されるモチーフのひとつとして笑って管理できるものにしなければならない。

 むしろ心配なのは、この『9月人類破滅説』に踊らされた人々の中で軽挙妄動に出る人がいないかという点である。本当の意味での人類の危機とは、大量に流される情報に惑わされ、本当になすべきことをしないことにより訪れるのだ。根拠のない『9月人類破滅説』に頭を悩ます暇があったら、東日本大震災で疲弊した日本経済を立て直す秘策を練るべきなのだ。

(山口敏太郎)

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