3連単162万3250円と、驚異的な高配当が飛び出した07年(1着ヴィクトリー、3着フサイチホウオー)の皐月賞で、波乱の片棒を担いだサンツェッペリン(松岡騎手・2着)は、年明け初戦の京成杯を快勝している、確固たる実力の持ち主だった。
ところが、続くトライアル・スプリングSで8着に凡走したためすっかり株を下げ、皐月賞ではナント単勝15番人気と見限られていた。人の気持ちとは、かくの如しである。
わずかハナ差で長蛇を逸した松岡騎手が、ヘルメットを叩きつけて悔しがったシーンは、記憶の底に鮮明に残っている。指揮官の斉藤誠調教師にとっても、逃した魚は大きかった。
悔しい思いは時間の経過とともに増幅するもので、その気持ちは皐月賞を勝つことによってのみ晴らされるものだろう。斉藤誠調教師が抱えた宿題だ。
最後に斉藤誠調教師は、「人気は絶対ではない。血統も関係ないです。人気を落としている力のある馬を探すことです。それと、もうひとつ。トリッキーなコースなので前に行ける馬が有利」と、馬券のヒントを教えてくれた。