パドックの見方については以前に書きましたから、今回は「返し馬」についてお話します。最近はパドックで騎手が騎乗せず、地下道でまたがって馬場入りするシーンを多く見かけます。レース前の限られた時間で、馬とのコミュニケーションを取るのですから、一挙手一投足も見逃せません。
返し馬を見る場所は全身の動きが見える高いところがいいと思います。まず馬が走りだした時、肩の出方、四肢の動きを見ます。コズミがないか、脚の運びがスムーズかをチェックします。また、パドックでイレ込んでいても、返し馬で落ち着くことがあります。あと、テン乗りなどの場合は騎手との呼吸が合っているかも大事ですね。
返し馬の強弱は騎手が判断します。短い距離の返し馬は馬の気持ちを落ち着かせることが目的です。注意をしたいのは長い距離の返し馬をした時です。考えられるのは(1)休み明けなどで馬が重い(2)肩の出が悪く、コズミがある(3)逃げる、あるいは先行したいので馬の気合を早くトップの状態に持っていきたいため、の3つです。特に(3)は重要で馬券のヒントになると思います。
馬券検討をしていて、逃げ馬が見当たらないということがあるはずです。そんな時、レース前に強い返し馬をしている馬を発見したら、「ははあ、この馬が逃げるんだな」と分かるはずです。