各球団の観客動員数はすでに発表されているが、2020年は広島東洋カープの人気が改めて試されるシーズンともなりそうだ。
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(観客動員数) (1試合平均)
19年 222万3619人 3万1319人
18年 223万2100人 3万1001人
17年 217万7554人 3万0670人
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観客動員数が19年シーズンで落ちたのは、主催ゲーム数が前年の72試合から1試合、減ったため。ペナントレースが全143試合で、主催71試合と同72試合が交互にやってくるのだから仕方のないこと。1試合平均で見ると、優勝した18年よりも、4位に転落した19年のほうが高い数値を出している。「ペナントレースの敗戦は影響しなかった」と言えるが、2年連続でのV逸となった場合は考えなければならない。それは、広島の本拠地・MAZDA Zoom−Zoom スタジアムマツダ(以下=マツダスタジアム)は、ビジターファンにとって、応援しにくい球場と位置づけられているからだ。
「マツダスタジアムは、一部の対戦カードに限り、ビジターファンの応援席となる三塁側も広島ファンに開放しています。広島ファンとビジターファンを分けてチケット販売をするなど工夫もしています。でも、ビジターファンは居心地の悪い思いをしています」(球界関係者)
広島球団のHP上では、DeNA、中日、ヤクルト、オリックス戦では三塁側も広島ファンに開放する旨が記載されていた。
対戦カードによって、観客動員数にばらつきが出るのは仕方のないこと。空席にするくらいなら、確実に動員が見込めるホームの広島ファンに開放したほうがいい。しかし、ファン同士のトラブル、悪意のある一部ファンがビジターチームの応援席のチケットを買って、ほかのところで立ち見をするなどのトラブルも報告されている。
広島球団はその改善策にも努めてきた。トラブルが完全解決しつつあることは強調しておきたいが、ライバル球団からはこんな情報も聞かれた。
「広島ファンは東京ドーム、神宮球場、横浜スタジアム、ナゴヤドーム、甲子園にも来てくれます。ビジター側を確実に満席にしてくれる有り難いお客さんです」
聞けば、広島県からライバル球団の本拠地球場に来て応援しているファンもいるそうだ。何が言いたいかというと、広島ファンはライバル球団の主催ゲームも満員にしているが、マツダスタジアムはその熱気のあまり、ビジターファンにとって、応援に行きにくい球場となっている。つまり、地元広島県のファンが成績不振で離れてしまったら、観客動員数もガタ落ちしてしまう危険性も秘めているわけだ。
「広島球団の人気を支えてきたのが、カープ女子。彼女たちの目に今の広島がどう映るのか…。人気の鈴木誠也も結婚し、ファン層が変わって来るかもしれません」(ベテラン記者)
まずは、ペナント奪回。新しいスター選手の出現が待たれる。(スポーツライター・飯山満)