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平成以降では最長 V逸期間が長期化する大関

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 先月12日から26日にかけて、東京・両国国技館で開催された大相撲夏場所。「12勝3敗」をマークした平幕・朝乃山の初優勝は、令和初の本場所における最大のトピックとなった。

 昨今の角界では他にも、栃ノ心(2018年初場所、当時平幕)、御嶽海(同年名古屋場所、当時関脇)、貴景勝(同年九州場所、当時小結)、玉鷲(2019年初場所、当時関脇)といった力士が初優勝を記録。白鵬、鶴竜といった横綱陣が衰え始めていることもあり、どの力士にも戴冠のチャンスが生まれつつあることがうかがえるだろう。

 一方、この好機をなかなか生かせず、ずるずるとV逸を重ねている番付もある。先場所は豪栄道、高安、貴景勝の3力士が務めた大関だ。昨年からここまで横綱、関脇、小結、平幕の力士が優勝する中、大関だけはそれを果たすことができていない。

 大関が優勝を果たしたのは、2017年初場所の稀勢の里(現荒磯親方)が最後。その翌場所から先場所まで実に14場所連続でV逸が続いているが、これは平成以降ではワースト1位。年6場所制が定着した1958年以降まで範囲を広げても、1位の24場所(1977年7月〜1981年5月)、2位の16場所(1970年3月〜1972年9月)に次いで3位にランクインしている。

 1、2位の記録については“不運”な面もあった。1位の時代には北の湖(期間内優勝14回)、輪島(同4回)、そして2位の時代には北の富士(同6回)、玉の海(同4回)といった横綱がなかなか隙を見せなかったからだ。

 一方、現在まで続く3位の時代を見ると、当初の4横綱のうち日馬富士、稀勢の里は既に土俵を去り、残る白鵬、鶴竜も年間通してのフル出場は困難。1、2位の時代よりは確実に隙が生じているといえるが、今の大関陣は長らくそこにつけ込むことができていない。

 次場所となる名古屋場所(愛知・ドルフィンズアリーナ)からは、栃ノ心の復帰で4人体制となる大関陣。果たして、約2年にわたって続く不名誉な記録をストップすることはできるだろうか。

文 / 柴田雅人

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