世間的知名度はないに等しいJr.が、突然の主役に抜てきされることは、この枠においては珍しくない。14年1月クールでは、当時はまだ演技経験すらなかった関西ジャニーズJr.の平野紫耀が、『SHARK』でいきなり主演になっている。
この枠の主役に選出されるということは、その後の事務所プッシュが確約されたも同然。そもそもこの枠は、12年から「ジャニーズ枠」として浸透。関東と一部地域でしか放映されていないが、固定ファンを多く抱えるキラーコンテンツだ。
記念すべきスタートは、『私立バカレア高校』。東西Jr.の主流どころにHey!Say!JUMP(ジャンプ)、Kis-My-Ft2(キスマイ)までを加え、AKB48と全面的に共演させるという、なんとも大胆なものだった。企画力が当たったこともあり、深夜で異例の高視聴率を叩きだし、映画化までなった。
その後は、ジャンプの知念侑李、中山優馬、SMAP・稲垣吾郎、Sexy Zone(セクゾン)・中島健人、キスマイ・藤ヶ谷太輔、セクゾン・佐藤勝利、平野、ジャニーズWEST・重岡大毅、Jr.・阿部顕嵐、舞祭組が主演を務めた。このラインアップからもわかる通り、いい意味で節操がない。10代でデビュー前のJr.が活躍できる場かと思いきや、SMAPというジャニーズの大御所も、同一ラインに並ぶ。しかし、稲垣の場合は通常のドラマと異なり、舞台同様のワンシチュエーション劇。稲垣はもとより、回ごとに異なる共演者のJr.勢の手腕も問われる内容だった。
今回の岸も、実力派タレントの片りんを見せるだけに、大きな期待ができる。土曜深夜、侮れないのだ。