一時は7点リードだった8日楽天戦は、8回に甲斐野央(被安打2・2失点)、9回に森唯斗(被安打5・3失点)が打たれサヨナラ負け。翌9日の同戦でもリバン・モイネロ(被安打2・1失点)、甲斐野(被安打3・1失点)がリードを守りきれず、2日連続のサヨナラ負けを喫した。
さらに、次カードの12日ロッテ戦では、1点リードの7回に嘉弥真新也(被安打2・2失点)、甲斐野(被安打2)の両者が崩れて逆転負け。その次のカードである15日西武戦は、森(被安打3・2失点)がセーブに失敗し勝ち切れなかった。
「7勝2敗」と好調だったGWから一転して負けが込み、気づけば2位日本ハムとは1.5ゲーム差。思わぬ失速ぶりに、ファンの間からは、「このままだと首位はおろかAクラスも危ない」という心配の声も挙がり始めている。
台所事情が苦しくなっている原因として、考えられるのは「勤続疲労」。現に、昨年のリーグ登板数ランキングでは、現在防御率「5.89」の加治屋蓮(72試合/1位)、「5.40」の嘉弥真(67試合/4位)、「3.26」の森(66試合/5位)の3名が上位5傑に名を連ねている。
また、ブルペン陣では昨年から岩嵜翔、デニス・サファテといった実力者も不在が続いているが、その前年の登板数を見ると岩嵜が72試合(1位)、サファテが66試合(2位)とワンツーフィニッシュ。毎年誰かに不調のしわ寄せが及び、それをカバーした選手がまた不調に陥るという負の連鎖が続いているのだ。
リリーフ陣がいわば“酷使”されている現状に、ファンからは「工藤監督の采配はどうなっているのか」「投手出身なんだから、もう少し投手を大切に使ってあげて」と、不満の声も挙がっている。
こういう時に助けとなるのは打線の頑張りだが、柳田悠岐、中村晃といった主力打者は未だ不在でそう多くの援護は望めない。シーズンはまだまだ序盤だが、2年連続の日本一チームは早くも岐路に立たされている。
文 / 柴田雅人
(成績は全て5月17日現在)