エイシンタイガーはあふれんばかりのスピードを秘めながらも、その走りは実にメリハリが利いている。二の脚の速さに加え、短距離馬に多く見受けられる追ってからの甘さもない。実際に、1400メートル以下では<3350>と抜群の戦績を誇っている。
そのセンスの良さは初の古馬相手となったCBC賞(2着)でもいかんなく発揮された。3番手追走から抜け出し、直線はいったん先頭。ゴール直前に出し抜けを食らったものの、明るい未来を感じさせる一戦だった。
「古馬相手に正攻法で挑んで、あの競馬ができれば立派。ここにきて気性面でも成長してきたし、体もしっかりしてきた。使った後も元気いっぱいで、すぐに乗り出せたぐらいだよ」と西園調教師は熱い視線を注ぐ。
中間もすこぶる順調だ。1週前は栗東坂路で800メートル53秒2をマーク。「ラストはエラーになったけど、キビキビとしたいい動きを見せてくれた」と仕上げに不安はない。
直千競馬は初めてになるが、昨夏の新潟2歳S(4着)でコースは経験済み。「あのときは不良馬場に持ち味を殺された」とトレーナーは振り返ったが、今回は開幕週の絶好馬場だ。「すぐにトップスピードに乗れるのが長所。53キロも有利だし、良馬場でやれれば楽しみだよ」。優勝請負人の内田騎手を背に一気にスターダムへとのし上がる。