「レース前には当日輸送や距離面などに対しての不安があった。でも、あの勝利で見通しがついた。自信を持って菊花賞に向かいます」
マイルの朝日杯FSを勝って以降、同馬につきまとった距離への不安。しかし、トライアルで見せた折り合い面での進境は池江寿師にこれまで以上の自信を植えつけた。
「春に比べて精神面でかなり落ち着きが出ている。鞍上の豊君もうまく乗ってくれているし。あのレース内容なら距離が延びても大丈夫だと思う」
最大の課題だった長丁場の戦いに対しての懸念も気性面での成長、そして名手の腕によって解消した。
朝日杯FSに続くGIの頂点へ、状態も万全だ。1週前は坂路を4F54秒5秒の馬なりで軽く流した。これまでなら短期放牧を挟むパターンだったが前走後はずっと自厩舎で調整されてきた。
「ケイコは予定通りにきている。前走より上積みがあって状態はとてもいい。それに最近は肉体面でもしっかりしてきて馬体にもボリュームがある。たくましさが出てきた」
ケイコを付ける吉村助手はフィジカル面での成長を強調する。
もう怖くない淀3000m。心身ともに充実した2歳王者が再び、大舞台で輝きを放つ。