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【帰ってきたアイドル親衛隊】目の前で「ロマンス」を歌いビックリさせてやった岩崎宏美

 1970年代から80年代にかけて放送されていたオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)から多くのスターが誕生した。『スター誕生!』出身者は歌唱力の高い人が多く、カワイイだけではなく、本格派の歌手として活動する子が多かった。そんなすごい歌唱力を持った出身者が多い中で注目したいのが岩崎宏美である。1974年7月に当時中学3年生だった少女が抜群の歌唱力を披露して合格。翌年に『二重唱(デュエット)』でデビューをすることになった。

 この時の私は小学校に入学したばかりの子供だったが、岩崎の歌声に魅了される出来事が起きた。その歌声に小さかった私は、助けられたことがある。この年の11月に17針を縫うほどの大ケガをしてしまい、長期の入院をすることになってしまった。小学1年の子供にとっての入院生活は孤独で、自暴自棄になりそうになることもあったが、病室にテレビがあったことで救われたところもある、そのテレビを何気なく見ていたら岩崎宏美の歌声が聞こえた。岩崎にとっての2枚目のシングル『ロマンス』である。発売された当時はあまり気にならなかった曲だったが、病院のベッドで冷静に聞くと涙が出てきてしまった。淡い恋を描いた歌詞なのだが、自分の中では歌詞の中に出てくる恋人のことではなく、そこを家族と置き換えていて聞いていた。今でもこの曲を耳にすると涙ぐんでしまう。

 岩崎に対する恋心みたいのが出てきた感じだが、その気持ちを打ち砕くような出来事が起こってしまった。80年8月に『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)の公開収録を観に行った時の事である。この番組にコロッケが出演していて、岩崎のモノマネを披露していた。曲は『シンデレラ・ハネムーン』で、不覚にも大笑いしてしまった。完全に岩崎のイメージを崩されてしまったが、当時の淡い思い出は壊されることはなかったのは救いである。

 コロッケのインパクトが頭に残ってしまったが、80年9月に岩崎とようやく会うことができた。『おはよう!こどもショー』(日本テレビ系)の『おはよう!のどじまん』というコーナーに、素人の小学生として出演して、ここで岩崎が審査員で出演し、私は思い出の曲『ロマンス』を本人の前で歌ったのだ。小学生の子供がまさかこの歌を選曲するとは思っていなかったので、岩崎の驚き顔は今でも忘れられない。その収録の時に入院時の話しをしたのだが、放送を見るとそのトーク部分は全部カットされていた。テレビを見ていて悔しかったが、実際に本人の前で想いを伝えられたので、自分では結果を残したと思っている。

 その後に岩崎に会ったのは82年の夏ごろで『聖母たちのララバイ』がヒットしている時である。『ザ・ベストテン』(TBS系)の出待ちをしていて、そこで岩崎と話しをする計画を立てていたのだが、岩崎がたまたま別のタレントと同時にスタジオから出て来るタイミングになってしまい、私はちょっと出遅れてしまったことで、近くに寄ることができなかった。そこで「宏美ちゃ〜ん」と叫ぶのが精一杯だった。会話すらできなかったが、とりあえず姿を見れただけでも良しと自分に言い聞かせてみた。

 その後しばらく岩崎と遭遇することは無かったが、1987年の秋ごろに川崎駅の地下街を歩いていたところ、そこで『男女7人秋物語』(TBS系)の撮影が行われていて、明石家さんまと岩崎宏美がいてビックリしてしまった。しばらく撮影を見学していたのだが、話し掛けるタイミングもなかったので、そのまま後にしてしまった。翌年には岩崎が出演するミュージカル『レ・ミゼラブル』を観劇して、遠目ながら舞台を観て感動を頂いた。以降は岩崎と会う機会は無いままだ。今では妹の岩崎良美と一緒に歌ったり、ソロでのコンサートも頻繁に行っている。今まさにコンサートツアーの真っ最中なので、できれば岩崎の素敵な歌声を聞きに行きたいと思う。

【ブレーメン大島】小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしての顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

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