試合開始直後の1回表、無死一・三塁で打席に立ったグラシアルは、村田透が投じた4球目をレフトスタンドへ。前日に続き2試合連発となるこの3ランは、チームに3点の先制点をもたらす大きな一発となった。
しかし、4‐2となり迎えた6回裏。清宮幸太郎に3ラン、渡邉諒にソロを打たれたことにより、チームは日本ハムに逆転を許してしまう。その後8回表に長谷川勇也の犠牲フライで1点を返したものの、同点に追いつくまでには至らず試合は9回へ入った。
ただ、キューバ出身の助っ人は、この敗色ムードに臆することは無かった。一死二塁、一打同点・逆転となるチャンスの場面で打席に立ったグラシアルは、浦野博司の4球目を強振。高々と舞い上がった打球は、初回と同じくレフトスタンドへと吸い込まれていった。
この日2本目となる逆転2ランが飛び出した後、松田宣浩の2ランが出て、チームは9‐6で日本ハムに勝利。チームの5連勝を、そして日本ハムとの差を「0.5」に縮める白星を呼び込む、値千金の一打となった。
この日2発5打点の大暴れで、チームを勝利に導いたグラシアル。今回の活躍を受け、ネット上では「今日はグラシアルさまさま、本当にありがとう!」、「2本目打った瞬間思わず叫んだわ」、「グラシアス!グラシアル!!」といったファンからの声が数多く挙がっている。「グラシアス」はキューバの公用語スペイン語で「ありがとう」の意味だ。
また、こうした声の大きさからか、試合後のツイッターのトレンドランキングでは「グラシアル」というワードが1位に浮上してもいる。試合を観戦していた人にとって、それだけインパクトの大きい活躍であったということだろう。
17日の昇格以降チームは5戦全勝、自身も打率.391・3本・8打点といい流れを作っているグラシアル。今後の戦いにおけるキーマンという位置づけをしてもよさそうだ。
文 / 柴田雅人