いまや自他ともに認める国内最強ダートホースに成長したヴァーミリアン。ドバイ遠征を前に予定していた1月30日の川崎記念を右飛節炎のために取り消すアクシデントはあったが、幸い症状は軽く、中間は急ピッチに調整が進んでいる。
フェブラリーSへ目先を切りかえて初めて行われた14日の追い切りでは、坂路を力強い動きで800m52秒5…攻め駆けしないこの馬にとっては十分すぎる時計をマークした。
「本当に元気があるね。ヴァーミリアンとしては時計が速かった」と石坂師は笑顔で合格点を与えた。一方、担当する久保助手も「運動を休んだのは1日だけ。その後は順調に乗ってきている」と不安説を一蹴した。
国内最強馬として文句なしの仕上がり。ポイントは状態面よりもむしろ距離、一昨年のフェブラリーS(5着)以来となるマイル挑戦だ。「距離は半信半疑。ただし、一昨年より力をつけていることは間違いない」とトレーナーは現在の充実ぶりに期待を寄せる。
次のドバイワールドカップはスピードを必要とする高速馬場。世界一の座に向けても、ここは結果を出さなければならない一戦となる。
「ゲートで少し立ち遅れることがあって、それがマイルでは致命傷になることもある。うまく流れに乗り切れるかがカギだね」
久保助手は世界を見据えた壮行戦を前に抱負を語った。大目標に向けても、ここは国内最強馬としての実力をもう一度、見せつける。