レースは大外枠から果敢にラヴェリータがハナを主張したが、前半600メートル通過は1400メートル戦にしては平均ペースといえる34秒3。前に位置した馬に有利といえる展開となった。ワンカラットは課題の折り合い難を露見することなく、2、3番手をスムーズに追走。直線インからスパッと突き抜け、2着以下に1馬身4分の1差をつける完勝を飾った。
「調教のときから精神面の成長は感じていた。馬も落ち着いていたし、いいスタートが切れて、いい位置で競馬ができた。何より、折り合いがついたのが勝因です」と藤岡佑騎手。「本番? あと1Fだけ我慢が利けばですけど、きょうみたいな競馬ができれば大丈夫だと思いますよ」と手応えを感じていた。
一方、藤岡健調教師も「本当にいい仕上がりで望めたし、ジョッキーもうまく乗ってくれた」と満足げ。昨年の阪神JFでは終始、行きたがり直線を迎えたときにはスタミナ切れ。悪夢の12着に終わった。
それからたったの3カ月。ワンカラットは自分自身との勝負に打ち勝ち、気性面で飛躍的な成長を遂げた。はるかかなたにいたブエナビスタの背中がしっかりと見えた一戦だった。