アメリカ・アリゾナ州に住む30歳の男性・パトリック・ホーグランドさんが再就職先を探すため、街頭に立って200枚の履歴書を手配りしたと海外ニュースサイト『CNN』と『GoodNewsNetwork』が現地時間7月31日、8月1日にかけて報じた。報道によると、ホーグランドさんはフォークリフトのオぺレーターとして働いていたが解雇されたそうだ。解雇された理由は不明だ。その後ホーグランドさんは数週間、就職活動をし続けたが面接に落ち続け、再就職先を見つけることができずにいた。
そこでホーグランドさんは再就職先を探そうと同州の街角に立ち、200枚の履歴書を道行く車の運転手に配ったという。履歴書を配り始めて3日目、マーケティング会社に勤める女性がホーグランドさんの履歴書を受け取った。女性は連絡先が書かれたホーグランドさんの履歴書を自身のTwitterに投稿し、ホーグランドさんが仕事を探していることをネット上で拡散し支援を呼びかけた。
女性の投稿は拡散された。『CNN』によると、ホーグランドさんのもとには企業や採用担当者から何千ものメッセージが届いたそうだ。ホーグランドさんはいくつかのオファーを検討し、最終的には地元のコンクリート粉砕会社に就職した。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「街角で履歴書を配るなんて、なんて斬新なアイデアなんだ」「再就職先が決まったのは、諦めずに就活をした結果。すばらしい努力」「ネットで会社に応募することもできる時代だからこそ、ホーグランドさんのような地道な活動と努力が目を引くのかも」「ツイートした女性もすばらしい。人助けをした」などの声が挙がっていた。
ホーグランドさんのアイデアは人々の関心を呼んだが、日本でもユニークな方法で就職活動をした人がいる。
現在31歳のライター、菊池良さんは、25歳だった2013年の大学3年生当時、「この男、即戦力。世界一即戦力な男から人事担当者の君へ」と題したサイトを立ち上げ、就職活動に取り組んだ。就活情報サイト『あさがくナビ』(朝日新聞社)が2014年4月に公開した記事によると、菊池さんは、就職活動が始まる大学3年生の時に「高校中退後、大検を取って大学に入学するまで6年間ひきこもり生活をしていた自分がまともに勝負できるわけがない」と思い、自分をアピールするサイトを制作した。サイトには「菊池良と面接する」というボタンがあり、そこから企業が菊池さんとやりとりようになっていた。サイトを公開するとSNSで拡散され、菊池さんは15社と面接し、4社から内定をもらったそうだ。
最終的に菊池さんはWebサイト関連事業を手掛ける『株式会社LIG』に就職。その後、菊池さんは同社を退職し、2016年4月にYahoo!に転職したそうだ。なお、現在はYahoo!を退職して、フリーランスのライター・編集者として活躍している。
就職活動をしていると、不採用になったり、希望した職種に就けなかったりと、うまくいかないこともあるだろう。壁にぶつかった時は、ホーグランドさんや菊池さんのように、視点を変えて自分なりの方法でアピールするのも一つの手かもしれない。
記事内の引用について
A man who got laid off gets hundreds of job offers after handing out his résumé on the side of the road(CNN)より
https://edition.cnn.com/2019/07/31/us/phoenix-resume-road-trnd/index.html
Man Flooded With Job Offers After Handing Out His Resumés in the Heat With a Smile On His Face (GoodNewsNetwork)より
https://www.goodnewsnetwork.org/man-gets-job-after-handing-out-resumes-in-arizona-heat/
「世界一即戦力な男」の就活から何を学ぶか(あさがくナビ)より
https://asahi.gakujo.ne.jp/common_sense/morning_paper/detail/id=648