土砂降りの雨は上がったが、馬場の悪いインを走らなければならない枠順(3枠)で、半ばあきらめの心境だった四位が、絶妙な手綱さばきでバースピンに重賞初制覇をプレゼントした。
「人気どころは、どうせ馬場のいい外を通る。で、イチかバチかインを突いた。4コーナーから少しでも馬場のいい外へ出そうと思ったけど、うまくいった」とご機嫌の四位だ。
中京コースは2戦目。昨年暮れの尾張Sでは追い比べで不利を受け6着だから、能力は証明しているが、手塚師は「お昼に準オープンの特別に登録したんだけど、オープンに上がっちゃいましたね。千二〜千四がベスト。サマーシリーズは、もちろんスプリント路線で行きます」とうれしい誤算に大喜びだった。
ラストの追い比べで、スピニングノアールが落馬。安藤勝己騎手が負傷する激しいレースだったが、掲示板入線馬はすべてがハンデ55kg以下。58kgを背負ったペールギュント、フサイチリシャールは完敗。雨が明暗を分けた一戦だった。