昨年は4度の重賞挑戦で(3)(4)(15)(3)着。コアレスデジタルはスタート直後に蹄を負傷し、まともに走れなかった東京盃(15着)を除くと、悲願のタイトル獲得へあと一歩のところまで迫っている。とくに、昨暮れの兵庫GTではJBCマイル3着馬相手に好勝負を演じた。
ところが、好事魔多しとはこのこと。今年の始動戦を圧勝。これからというときに、左前脚ヒザの剥離骨折が判明し、骨片を取り除く手術を行った。果たして成算はあるのか…。4カ月ぶりの実戦を不安視する向きもあるが、中間の猛ゲイコがそれら雑音をすべて吹き飛ばした。
「1週前はベルモントファラオと併せて4F49秒台。中間すでに3本速いところを消化しているし、体もほぐれて柔らかくなっている。1週前の段階でほぼ仕上がっているよ」と川村昭師は自信をのぞかせた。
28日の最終追い切り(船橋競馬場・右回り)は山田信騎手を背に、シーチャリオットと併せ、5F62秒8→47秒9→36秒2→12秒5(強め)を計時。半馬身ほど遅れを取ったが、筋骨隆々の馬体とは対照的な素軽いフットワークを披露した。
「行きたがる相手に合わせ、外から追いかけてのものだし、これだけの時計が出れば大丈夫。状態はいいから応援してほしいね」重賞初制覇へ向け、師は笑顔で締めくくった。順風満帆とはいかなかったが、昨年一連の激走は陣営にとっても大きな自信となっている。南関東馬同士なら…。今度こその思いは強い。