一昨年の同レースで2着した3歳馬ココナッツパンチを物差しにすると、よりロックの“すごさ”が際立つ。走破時計、着差では劣ったが、注目したいのはハンデ差。ココナッツが51kgに対し、実質3歳半のロックは57kgと6kgもの差があった。GIで数度の好走歴がある古馬アイポッパー(58kg)とは、わずか1.5kgしか違わなかったのだ。
しかも、約半年ぶりに加え、初の古馬相手と並の4歳馬なら屈してしまいそうな悪条件。それでいて0秒4差の3着だ。「1kg=1馬身」といわれるハンデ戦で、ロックと比較して6馬身のハンデがあった最軽量馬ココナッツパンチの好走とはそもそも次元が違う。
「正直にいえば、前走は次のことも考えて八分程度の仕上げ。それでも、勝負になると思っていたんだけどね」と胸中を明かす堀師のコメントが、目黒記念の価値をより一層高める。
一度使った効果は絶大で、「一番良かった3歳秋の状態にかなり近づいた。使って体もシャープになったし、フィジカル面に関しては文句なし」と指揮官の口ぶりはいつになくじょう舌だ。
すでに凱旋門賞とともに、英国版の宝塚記念「Kジョージ6世&QエリザベスS」(GI、7月26日)に予備登録を済ませていることも、陣営のロックに対する期待の現れだ。ここ宝塚が海外へ羽ばたく単なるステップになる可能性は大いにある。