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人気漫画の原画が作者に無断でオークションに 原稿紛失はなぜ起こる?

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画像はイメージです

 1970年代に『週刊少年マガジン』(講談社)で連載された梶原一騎原作、ながやす巧作画の人気作品『愛と誠』の原画が、インターネットのオークションサイトに出品され、400万円の高値で落札されて話題となっている。

 何らかの経緯で編集部から紛失した原稿が出回ったもので、オークションを主催する「まんだらけ」は、第三者から買い取ったものと主張している。今回の例に限らず、出版社が漫画原稿を紛失する事件は後を絶たない。なぜ、出版社は漫画原稿を紛失してしまうのか。

 「編集部が作家から受け取った原稿は、印刷所で製版にかけられます。この時点で高い解像度のスキャンを取りますので、以降原稿は基本的には不要となります。作家の希望で返却されることもありますが、大体は編集部の倉庫で保管されます。ただ、ほとんどの出版社の場合、鍵のかかっていないロッカーに封筒に入れた原稿を突っ込んであるだけといった状況ですので、管理はずさんと言わざるを得ません。出版社の雑誌編集部というのは、社員以外にも多くの人間が出入りします。誰でも手に取れる状況に漫画原稿は置かれていますので、転売目的で持ち出されたとしてもおかしくはありません」(雑誌編集者)

 さらに、最悪なケースとしては、ゴミに紛れて捨てられてしまうこともある。

 「雑誌編集部はとにかく紙のゴミが大量に出ます。そこにまぎれて捨てられてしまうといったこともあるでしょうね。さらには、出版社のゴミを専用に狙うマニアもいます。『ねじ式』『紅い花』などで知られるつげ義春は、すべての原画を自ら保管していますが、『必殺するめ固め』だけは、外部機関の川崎市民ミュージアムが保管しています。これは、つげ自身がゴミに出したものが、回収の過程で把握され、オークションに出されたものを同施設が入札し購入したものです」(前出・同)

 最近の漫画原稿はデータ納品も多くなってきている。こうした原画紛失トラブルは、今後は減っていくだろうが、なんらかの防止策を作る必要はあるだろう。

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