同作は、主人公「僕」(=矢部)と、50歳近く年上の女性大家さんとの交流を描いたエッセイ漫画。昨年10月に単行本として発表され、累計発行部数は21万部を突破している。
受賞を受け矢部も、「賞には無縁だった僕が、憧れの手塚先生のお名前の付いた賞をいただけるなんて大変うれしいです」とコメント。喜びの声を寄せていた。
また同日、相方の入江慎也も自身のTwitterを更新。「僕よりここ8年は大家さんと相方はいます。」というコメントを添え、矢部を讃えた。
漫画家以外の同賞の受賞者は、矢部が初となる。25日発売の『週刊新潮』(同)から、第2期の連載も始まり、さらにエッセイ漫画家として注目が集まりそうだ。
矢部をはじめ、近年芸人たちが執筆した作品が注目を集めている。代表的なところでは、ピースの又吉直樹、インパルスの板倉俊之が小説を、キングコングの西野亮廣は絵本を発表。また今年3月には、髭男爵の山田ルイ53世が、一発屋芸人に焦点を当てたルポで、「第24回 編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞している。
「こうした例を見ると、お笑いコンビの片方が文化的才能を発揮しているパターンが特徴です。逆に相方の方は、パッとしなかったり、むしろネガティブな話題で注目されてしまうパターンが定型となっています。そういった点では、カラテカの場合は珍しいかもしれません。」(芸能ライター)
相方の入江は、“友達5000人”というキャッチフレーズを武器に、一足先にブレイク。合コンをはじめ、コミュニケーションに関する書籍を複数発表するほか、自身でコンサルタント企業も設立。ピンでの活動を充実させてきた。
「今回の受賞をきっかけに、矢部も漫画に関連した仕事が増えてくることになるでしょう。そのため、コンビ揃ってより一層ピンでの活動が活発になっていくかもしれません。」(同・ライター)
“文化人お笑いコンビ”として、今後コンビで活動する日は来るのだろうか。