search
とじる
トップ > レジャー > キャバ嬢が生まれる瞬間(10)〜地下アイドルからキャバ嬢になった女〜

キャバ嬢が生まれる瞬間(10)〜地下アイドルからキャバ嬢になった女〜

 須藤朱里(仮名・26歳)

 私は去年までアイドルだった。といっても地下アイドルだけど。

 今は昔と違ってアイドルになろうと思えば誰でもなれるんじゃないかな。ネットで踊ってる動画を公開すればネットアイドルだし、聞いたこともない事務所のオーディションに合格すれば地下アイドルになれる。

 子供の時から歌ったり、踊ったりするのが大好きで、いつからかアイドルになりたいと思うようになった。初めは有名事務所のオーディションを受けたりもしたんだけど、まったく引っかからず。それでやっと合格してなれたのが地下アイドル。

 だけど現実は厳しい。そこまで多くないファンとの握手会やライブをひたすら繰り返す日々。でもそれだけじゃ運営が賄えないから、CDと一緒にデート券を売ったりもしてた。もちろんデートの際は2人っきりじゃなくスタッフの人と一緒だけどね。あとファンから貰ったプレゼントには、よく連絡先も一緒に付いているから次のライブへ来てもらえるように営業メールをしたこともある。地下アイドルの活動は、キャバ嬢とあまり変わらないかもしれない。物販の一部が自分のお給料になるからみんな必死なんだよね。

 そんな状況でもステージに立っている時、自分の名前が叫ばれたりするとうれしかったな。でも問題なのはお金。地下アイドルの平均月収は2〜3万円。多い子でも8万円くらいだから、それだけじゃ食べていけない。一人暮らしの子はアルバイトしている子ばかりだったし、私も飲食店でバイトしながらアイドルを続けていた。

 私がアイドルのオーディションを受けたのは21歳。そこから色々なグループを転々として、気が付いたら25歳を過ぎていた。正直、小学生だっているアイドルの世界で25歳はかなり厳しいよ。それもあったからアイドルを辞める決意をし、客対応の経験を生かしてキャバクラ嬢になろうと思った。正直、お金も稼ぎたかったから。

 キャバクラに来る人はアイドルヲタクの人ばかりじゃないから、私のアイドルスマイルに対する反応はかなりシビア…。でも今はがんばってお金を貯めたい。そして将来はスナックでも開きたいって思ってる。スナックのお客さんの前でカラオケを歌うのも悪くないかもね。今でも歌うことだけは大好きだから。

(取材/構成・篠田エレナ)

関連記事


レジャー→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

レジャー→

もっと見る→

注目タグ