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故ジャイアント馬場が裏金!? 元編集長が激白!

 嘘をつくと閻魔(えんま)様に舌を抜かれるという。かなり痛いらしい。なんとか逃れたいものだ。方法が、ひとつだけある。告白だ。

 『「金権編集長」ザンゲ録』宝島社刊は、こうして書かれた。ターザン山本は、プロレスラーよりも目立った編集長だった。
 毎週、発刊される『週刊プロレス』は、「考えるプロレス」を提唱し、受け身で観るプロレスから、参加型のプロレスへと変化を要請した。『週刊プロレス』は、思想書となり、「活字プロレス」が誕生した。プロレスは、思想を実現するものであり、純粋でなければならない。それは、観る者も演じる者も同じだ。
 1990年、事件は起きた。「SWSの変」である。純粋でなければならないプロレス界に、汚らわしい「欲望」が紛れ込んだのだ。大手メガネ会社がスポンサーとなり、新興団体「SWS」が旗揚げされた。それだけなら問題ない。問題は、プロレス界の聖域「全日本プロレス」から、選手を引き抜いたのだ!

 天龍源一郎が引き抜かれた!!

 事件である。水戸黄門でいえば、助さんが悪代官に買われるようなものである! 水戸黄門もといジャイアント馬場は困った。金には勝てない。週刊プロレスは、どう出るか!?
 麗しいことに、助太刀に出たのだ。天下の一大事に馳せ参じなければいけないとばかりに、ジャイアント馬場と元子夫人に協力を申し出た。このままでは、プロレス界が悪の手に渡ってしまう! 翌週から大プロパガンダが始まった。
「金権プロレスからプロレス界を守れ!!」、「天龍源一郎は、義理と人情を捨てた裏切り者である!」徹底的に断罪した。
 巧を奏してか、大企業をバックにしたSWSは潰れた。あっけない幕切れだった。正義は勝ったのだ! 我々は、胸を撫で下ろした。

 あれから18年、かつての軍師は、告白する。
 「金権は、わたしだった」。
 「ジャイアント馬場から金をもらっていた」。
 なんと!! あの純粋に思われた活動はなんだったのだ!! あなたは、わたしたちに嘘をついていたのか!
 「はい。どうしても言えなかった」

 こうして、実売20万部を誇った『週刊プロレス』の編集長は、ザンゲする。数々の「罪」を。
 閻魔は、許すだろうか。

執筆者:わくわく探偵リーラ(山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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