選考された9人の選手は上野真吾(神奈川)谷田泰平(岐阜)水谷好弘(滋賀)西谷岳文(京都)中野彰人(和歌山)石坂永伍(岡山)豊岡哲生(佐賀)今井裕介(茨城)園田鉄兵(熊本)。
年齢制限が外れたこの期だけに栄えあるルーキーチャンピオンレース出場権をとった谷田は31歳、今井は30歳、西谷も29歳と、そろってオッサン新人だ。
このオッサン新人はすごい。今井は適性入学で同期のナンバーワン。長野、ソルトレイク、トリノの冬季五輪のスピードスケート1000m、1500mに出場。1500mの日本記録も持っている。スケート界特別選抜で88期に入り大活躍中の武田豊樹が師匠格で92期の牛山貴広とともにGIレーサーを目指している。
今井は選考時A3だったが、熊本・宇都宮・花月園を土つかずの3連覇でA2に特別昇級した。
A3チャレンジレースでの勝利とはいえ、22戦16勝の快速ぶりで、さすが93期ナンバーワンを思わせている。
今井にライバル意識を持っている西谷岳文もスピードスケートの出身。こちらはスプリンターで長野では500mで金メダルをとった。デビューから6場所優勝して今井以上に注目を集めている。
しかも今回のレースは近畿勢が西谷のほかにも水谷、中野と3人もいる。近畿ラインに岐阜の谷田泰平が加われば2段駆け3段駆けで今井のまくりを封じるケースも十分考えられる。
今後のレースが期待されるのは谷田だろう。現在31歳のオッサン新人だが、適性入学で在校成績は3位。6月にはA2への特別昇級を決めた。A1・A2相手では苦戦しているが184cm、85kgの恵まれた体躯は、今後の練習如何でS1上位の期待を持たせる。大垣の大先輩・山田裕仁が目標だが、その山田も適性で入学。昭和63年5月のデビュー戦京都向日町は(2)(5)(8)と優参も出来なかった。奈良でA級初勝利をあげるまで4か月、西宮でA級優勝するまで9か月かかっている。そのころと今ではシステムも少し変わっているが、そう簡単に優勝できないのが、学校と実戦の違いだ。谷田もひとつ優勝すれば波に乗れるだろう。
このオッサン新人にチャレンジするのは上野、中野、豊岡の21歳組。なかでも中野は1メートル62cmと小柄だが、特別昇級してから、S級下がりのベテラン相手に先行して京都向日町、奈良と優勝2着に粘っている。
まだ4コーナーからの粘りに課題は残るが、和歌山から久々に出た新人だけに先輩たちの期待も大きい。アマでは地脚で活躍した。師匠・池田智毅(68期)の特訓で伸びてくるだろう。今回は西谷を引くレースか。