ちなみに、そんなUFOを開発しているのではないかと一番疑われたのが、ソ連とアメリカそれぞれの軍であった。そこでアメリカ空軍は、民間からのUFO目撃報告と米軍へ向けられる疑惑の目を払拭するために、何度か公式なUFO調査と研究を行った。そのひとつが「コンドン委員会」である。そして膨大な検証の結果「コンドン・レポート」という報告書が上げられる。そこには「過去のUFO研究から科学的知識は全く得られず、これからもUFOの研究からは科学の進歩に貢献できる情報などは出てこないだろう」とする結論がなされていた。
こちらの写真は1966年7月にアメリカのユタ州で撮影されたものだ。ロッキー山脈上空を飛行中だったのを輸送機のパイロットが発見して撮影に成功したのだが、コンドン委員会の調査で画像にぶれなどが認められないことから、ガラスなどに模型ないしは絵を貼り、写真を撮影して空を飛ぶUFOに見せかけたものという結論が出ている。
しかし、コンドン委員会には批判も多かった。ほとんどのUFO目撃証言に対して批判から入っているため、検討が不十分なものもあるとか、逆にかえって米軍はUFOに関する何かを隠そうとしているのではないかとされたのだ。
UFO関連の話題にはフェイクや誇張はつきものである。だが、だからといってすべてを否定し嘘であると決め付けてかかるのも、また宜しくない事といえるだろう。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所