学生プロレス出身のダイスケ、吉野達彦が中心となりガッツワールドの「芯の部分」を見せるために続けているTruthだが、未だ観客動員数は横ばいのまま苦しい戦いを強いられているのは事実。
それでも出場する選手達は自分達の出来る精一杯をリング内で見せ続けている。いつか来るであろう、大勢の観衆の前で「真実」を見せられるその日まで。
9月7日、まだ暑さの残るイサミレッスル武闘館で、全3試合が行われた。
メインイベントのリングに上がったのはダイスケ、そして8月24日に新日本プロレス『Never.1』にて高橋裕二郎&内藤哲也の「NO LIMIT」と対戦した円華(パートナーは666の忍)。この試合では一見ベビーフェースで「イケメン」な円華の別な一面を観客に披露する事になった。
両者ガッチリと握手を交わして始まったメイン。ロープワークの最中に見せた円華のリープフロッグ。直後に異変は起こった。左膝を押さえてうずくまってしまう円華。どうやら着地した際に膝をひねってしまったらしい。館内の空気が凍りつく。レフェリーのバーブ佐々木が場外に出た円華の状態を確認する。リング内で臨戦態勢を整えていたダイスケだったが、待ちきれずに場外の円華の元に歩み寄る。リング内に戻る円華、次の瞬間今までの苦悶の表情は全部嘘のようにロープに走り、強烈なスライディングキックを場外にいたダイスケに向かって発射したのだ! 本部席のミスター雁之助相談役も「見事に騙された」と語っていた程の円華の演技に館内は驚く。新日本を体感した円華は、クレバーという新たな武器を身につけたのか。
主導権を握った円華はダイスケの左腕に照準を絞る。キーロック、スピニング・トーホールドの要領で左腕を絞る、雪崩式の攻防を制してダブルニードロップ、飛びついての三角絞め、スライディングDをかわして極めたワキ固め→ステップオーバー式の腕固め…執拗な、ねちっこい攻撃というものは今までの円華からは見られなかった攻撃。持ち味である華麗な空中弾を封印し、ダイスケを攻め込んでいった円華であった。
試合こそダイスケが意地のスライディングDを決めて勝利したものの、「円華、恐るべし」を印象付けた試合であった。試合後円華は「見事に館内の全員を騙しましたね。試合では負けてしまいましたけど、全員を騙す事が出来た事では僕の勝ちですよ」その表情には明日を見据える自信がみなぎっていた。
吉野達彦エースへの道100番勝負第5戦、2対1のハンディキャップマッチに加えてリングアウト、反則裁定が無く、ロープエスケープすら認められないとんでもない試練が吉野に待っていた。試合前、ガッツワールド社長となったCHANGOは団体名を「CHANGOワールド」に変えると宣言。気を良くしたのか、「吉野君の一番有利な体制から試合を始めていいよ」と告げる。何故かボクシンググローブを装着したアミーゴ鈴木のバックを取った体制を取る吉野。ゴングと同時に必殺技のアスリートジャーマン! 慌ててカットに入り「ジャーマンは反則だろ!」と叫んだCHANGOであった。負けたら丸坊主にされてしまう吉野は意地でも負けられなかった。だがツープラトンの攻撃に加え、CHANGOとアミーゴ鈴木が持ち込んだ凶器攻撃の前に徐々に劣勢に立たされる吉野。散々いたぶった末に必殺のスコッチ・メイデン(合体式ギロチンドロップ)の体勢に入ったその時、元社長である梁和平が乱入し吉野の大ピンチを救った! 更にセコンドに就いていた山本SANのハイキック、元代表であるガッツ石島のラリアット、梁のリバースゴリードライバーが立て続けにCHANGOに襲い掛かる。勝機を見出した吉野はCHANGOにアスリートジャーマン。見事にカウント3を奪い、最大の試練を乗り越えたと共に100番勝負での初勝利をもぎ取ったのであった。
収まらないのはCHANGOとアミーゴ鈴木。だが「反則裁定はない」と決めたルールが、逆に自分達の敗戦を決定付けた結果になってしまう。勢いに乗った梁と石島は、社長・代表権を賭けたリターンマッチを要求。拒否したアミーゴだったが、リング内で人質に取られていたCHANGOが袋叩きに遭うとあっさり承諾される。条件としてガッツワールド・Truthのリングではなく、9月20日に行われるSECRET BASE”STAY GOLD”北千住大会で行うと宣言した。社長・代表の座を賭けたリターンマッチが、奇しくも石島の保持するGWCシングル王座を賭けた戦いが行われる北千住での昼間に行われる事が決まった。
第1試合では山本SANとnkwのカジャー・アンナカがタッグを結成、梁和平&ガッツ石島と対戦。実は日大の学生プロレス出身であるアンナカ、ダイスケや吉野達彦の後輩であった。しっかりした基礎を持つアンナカに対して石島は容赦のない攻撃を繰り出す。対してアンナカは華麗な空中殺法で反撃、山本も得意のキックで石島をぐらつかせたが、最後は石島のスタンディング式ストレッチプラムが山本を捕えて勝利。大きなチャンスを掴んだアンナカ、この機会を逸する事は無い!
ガッツワールドの「芯の部分」を見せるというコンセプトの基始まったTruthだが、どうしても本戦の序盤戦のような気がしてならない。本当の芯を見せる為には、この日のダイスケ対円華のような試合を見せていく事も重要視しなければならない。次回大会では吉野の100番勝負の対戦相手としてユニオンの木高イサミが出場する。ハードコアやデスマッチの印象が強いイサミに対して、吉野は「真実」を伝えることが出来るのであろうか。
観客動員について、試合後ダイスケは「まだ公に出来ないですけど、一つプランがあります」と語る。開催1か月を迎えたTruthから始まる新たなStory。次のワンステップに期待したい所である。
(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))
※いつもお願いをしてしまい、お客様には大変申し訳ありません。今後もより熱い戦いを繰り広げて参りますので、ファンの皆様、地元のお客様のご観戦を心よりお待ち申し上げております。−ガッツワールド事務局一同−
◆『Truth#5』
2010年9月7日(火)
会場:埼玉県・蕨「イサミレッスル武闘館」(観客58人)
<メインイベント シングルマッチ 20分1本勝負>
○ダイスケ(11分39秒 エビ固め)●円華 ※スライディングD
<第2試合「吉野達彦エースへの道100番勝負第5戦」ノールールハンディキャップマッチ 20分1本勝負>
○吉野達彦(9分16秒 アスリートジャーマン)●CHANGO&アミーゴ鈴木 ※吉野通算1勝4敗
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
梁和平&○ガッツ石島(9分25秒 スタンディング式ストレッチプラム)●山本SAN&カジャー・アンナカ【nkw】
◆『Truth#6』
2010年9月14日(火)開場:19:00/開始:19:30
会場:埼玉県・蕨「イサミレッスル武闘館」
<メインイベント「吉野達彦エースへの道100番勝負第6戦」>
吉野達彦 vs. 木高イサミ【ユニオン】
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
星野勘九郎【大日本プロレス】&ダイスケ vs. 梁和平&ガッツ石島
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
マスクドミステリー&ブルー・バイセクル vs. 角刈海坊主&チェ・餃子マン
【チケット情報】
全席自由2000円(当日は500円増し)、9月分月間パスポート:指定席7000円、自由席6000円
◆ガッツワールド『vol.43』
2010年9月20日(月・祝)開場:17:30/開始18:00
会場:東京・北千住シアター1010ミニシアター(北千住駅より徒歩数分)
【決定カード】
<GWC認定シングル選手権試合 60分1本勝負>
(王者)ガッツ石島 vs.(挑戦者)星野勘九郎【大日本プロレス】
※同会場にて13:30よりSECRET BASE“STAY GOLD”北千住大会が開催される。
お問い合わせ ガッツワールドプロレスリング事務局 info@guts-world.com