接客アルバイトの経験がなく、いきなりキャバクラに飛び込むタイプもいるが、中には緊張しすぎて隣に座るお客の顔も見れないといった学生キャバ嬢もいる。
今回、席についたジュリ(仮名)はキャバ嬢というよりもむしろギャル系といった趣だが、仕草や会話にぎこちなさが見られ、前出のタイプに当て嵌まった。
「友人と話す時は良いけど、キャバクラの仕事が初めてだから、お客さんと何を話したらいいのかわからない。学校で美容系を勉強してるけど、接客トークできないと将来はヤバいよね?」
ジュリは入店して一週間未満の新人ということもあり、不慣れな様子を隠しきれずにいたのだ。
それをプロ意識の欠如とみなして説教するか、それとも接客に不慣れなキャバ嬢を会話でリードしてあげるかの選択はお客次第。会話が盛り上がるのは当然のことながら後者であることは間違いない。
ジュリが喰いつきやすそうなファッションの話題から接客する際の会話の方法まで、わずかな時間ながら深いところまで話し込んだ。携帯電話は控室に置いてあるとのことで、連絡先のメールアドレスをジュリの名刺の裏に書いてもらって店を出た。
しかし、その連絡先にメールをしてもアドレスに誤りがあり、届くことはなかった。新人だからといって甘くはない。
(月山 皇)