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野球バカコラム・東京ドーム“ドームラン”の噂が生まれた真の訳

 今回は筆者の愛する巨人軍に関係したコラムを一つ。

 1988年から現在まで読売ジャイアンツが本拠地としている東京ドームでは、昔からある有名な噂が都市伝説的に語られていたと思う。
 巨人の攻撃の番になると、東京ドームの球場職員が空調を操作して、スタンド側に空調が流れるようにしてホームランを打ちやすくするという、俗に言う“ドームラン”の噂である。
 確かに、例えば昨年など典型的で、東京ドームの試合では巨人はやたらホームランを連発するのに、ナゴヤドーム辺りになると、途端に打線がピタリと沈黙してしまう試合が多かったイメージがある。中日の投手陣がそれだけスゴかったことや、そもそもナゴヤドームが非常にホームランが出にくい球場だという事実もあるが、これだけ極端だと、さすがの巨人ファンの筆者も、やはり東京ドームにはインチキなカラクリがあるのかと勘ぐりたくもなってしまう。
 超重量打線、ミレニアム打線、史上最強打線と呼ばれたジャイアンツ打線の破壊力は、東京ドームの空調操作のお陰なのか? あるいは、巨人と同じく88年から03年まで東京ドームを本拠地としていた日本ハムのビッグバン打線も“ドームラン”なのか?

 結論から言うと“ドームラン”は完全に事実無根のガセネタである。東京ドームは元々、右中間や左中間スタンドがだいぶ浅い作りとなっているので、どうしてもホームランが出やすい構造となっている。“ドームラン”も“ジャンパイア”などと同じく、ただの噂話に過ぎないのである。
 しかし火のない所に煙は立たないともいわれる。もしかして別の所に“ドームラン”のルーツがあるのではないか? 筆者が調べたところ…あったのだ!

 今シーズンより「前・ロッテ」西岡剛が所属する、大リーグのミネソタ・ツインズが09年まで本拠地にしていたメトロドームが、その場所となる。
 このメトロドームも、屋根を空気圧で押し上げるエアドーム式となっていて、東京ドームのモデルとなっているのだが、なんとこのメトロドームでは、事実としてツインズの攻撃時には打球が飛びやすくなるように空調を操作したと暴露した球場職員がいたらしい。時代的にいうと、まさに日本に東京ドームが完成した直後ぐらいの頃だそうである。
 東京ドームのモデルとなったドーム球場で実際に“ドームラン”が起きていたのだから、それなら東京ドームにも同じように“ドームラン”の噂が立つのは必然なのかもしれない。

 ツインズも昨年の2010年シーズンより屋外の新球場・ターゲットフィールドに本拠地を移転し、“ドームラン”のあり得ない環境となった。空調操作ではなく自然の追い風を味方にして、西岡選手には活躍してほしいと、いち野球ファンとして祈っている。
 もちろん我らがジャイアンツも、元々東京ドームに“ドームラン”はないけれど、猛打爆発で今年こそ日本一奪回を、いち巨人ファンとして祈っている。

(「野球狂のアキバ系」伊藤博樹 山口敏太郎事務所)

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