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コミックソングは時代を超える?

 コミックソングが売れることがある。昭和歌謡としての金字塔をも打ち立てた、《スーダラ節》や《帰ってきたヨッパライ》などはその代表格だろう。

 「古くは《ソウルこれっきりですか》が、ニッポン放送で日曜日の朝9時からやっていた、ロイ・ジェームスの『不二家歌謡ベスト10』で2位まで登りつめたのが衝撃でした。ラジオから盛んに流れていたのを思い出します。あとは、なんと言ってもバラクーダーの《日本全国酒飲み音頭》ですね。百万枚に迫る勢いで売れた」(音楽雑誌関係者)

 なつかしい…。バラクーダーは《演歌・血液ガッタガタ》も、なんと50万枚売れたそうだ。あのねのねの《ネコ ニャンニャンニャン》…昭和モノは数え上げたらキリがないだろう。中でノリのよさ抜群のザ・ドリフターズの《ドリフの早口ことば》(81年)は、今の若い人たちにも人気だという。

 時代は下り91年には、嘉門達夫のシングル《替え歌メドレー》が80万枚の大ヒット。
嘉門は、山下達郎本人から替え歌の許諾を得た、という仰天エピソードも持っているというが、その仔細はともかく、CDの分はすべての著作権の許諾を音楽出版社から得ているので、それ自体がすごいことだろう。

 90年代にはさらに、♪どのように感じるう? ♪想像してごらん、など直訳ロックで一世を風靡した王様もいる。オリジナル完全コピーの演奏力も、王様の特徴だろう。

 ベスト10には入っていないが、金谷ヒデユキのアルバム<地獄のスナフキン>もよかった。現在コミックソング市場はどうなっているのだろう。

 「関ジャニ∞、それにモーニング娘。はコミックソングのアーティストかもしれませんよね。(笑)アイドルもコミックソングで洒落っ気を演出する時代だと思います。アイドリングの《モテ期のうた》はその代表的な曲でしょうか」(同上)

 さらに器楽やクラシックも加えると、コミックソングは“冗談音楽”と名を変え、その起源は、イギリスの[ホフナング音楽祭]なる50年代の冗談音楽祭にあるようだ。日本でも、高田文夫事務所の企画である[渋谷冗談音楽祭]が去る9月に催されたばかり。笑えるものあり、感心してしまうものあり、気軽に名曲も楽しめる。そんなコミックソングの世界は、永遠なのかもしれない。

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