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男と女の官能事件簿 シャブ中男による兵庫2女性殺害遺棄事件(4)

 資産家を装って女性2人を自宅に誘い込んだ草柳和雄(39)は、女性たちに対して当初は紳士的に振舞っていたらしい。

 しかし、それも最初の頃だけだったようだ。女性たちが失踪する前、草柳の自宅周辺では、男の怒鳴り声や女性の悲鳴などが、深夜に何度も聞こえたと近隣住民が証言している。
 そして、事件後に草柳の自宅からは、木刀やチェーンなどが押収され、血液が付着したものもあった。それはいったい、何を意味するのか。
 警察のさらなる取り調べに、草柳は殺害の動機を話し始めた。それによると、会社員女性にバッグを買う約束をめぐって口論になったため、彼女を床に押さえつけると、金属製のハンマーで頭を何度も殴って殺害。それを専門学校生の女性に知られたため、同じようにハンマーで撲殺した。「2人のケンカを止めようとした」などというのは、まったくのデタラメであった。

 それから浴室で2人の遺体をノコギリなどで切断した。草柳は遺体を執拗に切り刻んだ。その際に、身元が判明しないよう、遺体から指を一方ずつ切断し、さらに歯も抜き取っていた。そして、切断した遺体を10以上に分けてポリ袋に詰め、県内の港や山中などに投げ捨てた。
 警察は遺体を捜索したが、草柳の供述があまりにいい加減で、なかなか発見には至らなかった。ようやく姫路市の飾磨港の海底から発見されたのは、無残に寸断された人骨だった。DNA鑑定などの結果、2人の女性のものと判明した。

 このような残忍な犯行を実行しておきながら、草柳は反省の態度などほとんど示さなかった。公判では、容疑を大筋で認めたものの、「女性をハンマーで殴ったのは事実だが、殺意は無かった」などと言う有様。それどころか、「会社員女性が襲ってきたので、正当防衛で殺害しただけ」として、無罪を主張する意見書まで裁判所に提出している。
 しかし、2009年3月17日、神戸地裁姫路支部は、「残忍非道な犯行で刑事責任は重く、更生の可能性は低い」として、草柳に求刑通り死刑判決を言い渡した。
 裁判長は草柳の犯行について、「凶暴かつ凄惨であり、酌量の余地がなく悪質極まりない」と断罪した。判決理由を1時間半かけて読み上げた後、「死刑に処する」という主文の言い渡しが行われたが、その瞬間も草柳はまったく無表情だった。(了)

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