死海文書は紀元前3世紀から1世紀に書かれたもので、現存する最古の聖書写本群とされている。紀元前68年にローマ軍の侵攻を避けるため、イスラエルの塩湖“死海”沿岸にある11の洞窟に隠され、1947年に発見されたもの。聖書の内容が比較的正確に伝えられてきた事を証明するキリスト教教典としては勿論、歴史的にも重要な文献の一つである。
しかし、死海文書は現存する聖書を今に伝える内容のものでありながら、幾つかの洞窟内に隠されていた文書は長らく全体の何割かしか公表されないままだった。しかもヴァチカンでは死海文書を異端として扱っていたりするため、死海文書はさまざまな陰謀論に使われたりと発見以来数奇な運命を辿っている。
実際に死海文書には謎めいた文章も多く、“戦いの書”にて“光の子”と“闇の子”の戦いが描かれていたり、“感謝の詩篇”では「亡びの矢は一斉に放たれて、あやまたず命中する。それはきらめく炎とともに襲いかかり、そこで水を飲む者らは、みな消え失せる」等という人類滅亡を現したような記述もある。そのため、死海文書を全ての予言書の種本とする説もある。この謎めいた写本とその内容は、かつて一大ブームとなり、今も劇場版が作られているアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の原案にもなっている。
また、死海文書は解読に成功すると来るべき人類の未来、黙示録的内容が浮かび上がるという説もある。Googleにて電子書籍として閲覧可能となった死海文書。文章は章や節事に閲覧でき、画面上でヘブライ語の文章をクリックするとその部分の英訳を読むことも出来る。これを解読し、秘められた謎を明らかにする人が出て来る日も近いのかも知れない!?
参考URL
The Digital Dead Sea Scrolls
http://dss.collections.imj.org.il/
※画像はThe Digital Dead Sea ScrollsよりThe Great Isaiah Scrollのキャプチャ