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2017年キャンプ・オープン戦リポート 新加入選手は「戦力」になるか?(オリックス)

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金子千尋

 2016〜17年オフにおける補強、チームの再建の勝者はオリックスだった。そう断言できるのは、ブルペンが充実しているからだ。先発陣だが、金子千尋、西勇輝、ディクソンは健在。ここに社会人ナンバー1と称された山岡泰輔が加わり、8季ぶりの本格先発転向の岸田護、ヤンキース、タイガースなどメジャー数球団を渡り歩いた左腕、フィル・コーク、同じく左の松葉貴大、そこに、東明大貴、山崎福也が6人枠を争う。

 山岡は「大人の投手」という印象を受けた。すでにキャンプ序盤で仕上がりの早さを見せているのは既報通りだが、ブルペン投球では、指示される前に、セットポジション、クイックなど実戦をイメージした投球練習も行っていた。「速い」とは思わなかったが、低めに伸びのあるボールを投げ込んでいた。大抵の新人はプロ投手と並ぶだけで萎縮し、自身の練習ペースも見失ってしまうものだが、山岡にはそれがない。昨季は外国人投手に泣かされたが、先発起用が予定されているコークを筆頭に、リリーバーのヘルメン、ウエストも順調な調整を見せていた。3投手とも、良い意味でクセがない。ただ、野手陣でも2年目のモレルに加え、新加入のロメロはクリーンアップを予定して獲得した以上、コーク、ヘンメル、ウエストの3人を全て一軍に残すことはできない。ディクソンは「確定」として、コーク、ヘンメル、ウエストの3人が「残り1枠」を争う図式だが、オリックスは左の先発投手が不足しているので、コーク優先となるだろう。

 そのコークだが、米国時代は速球派のリリーバーだった。昨年は3Aで先発に固定され、2点台の防御率を残したという。キャンプ序盤の投球練習を見る限り、ギアを入れたときの速球とスライダーを武器にしているようだった。先発投手が責任イニングを投げきる場合、当然、打者3巡は覚悟しなければならない。ツーシーム系の変化球も投げていたが、イマイチだった。「もう一つ、変化球がほしい」とも思った。

 時折、捕手のほうを見て、ボソボソと何かを言う。目はつり上がっていたので怒っているのだろう。イメージ通りの投球ができず自分に怒っているのか、それとも、ブルペン捕手の捕球にクレームをつけていたのかは分からないが、「短気な性格」は心配だ。

 岸田の先発転向で“一人クローザー”となる平野佳寿は、WBCに招集されている。WBCでの疲労度を考えれば、福良淳一監督も序盤戦は無理をさせたくないはず。チーム関係者によれば、ディクソンの「臨時登板」が検討されているという。ディクソンがギアを入れたときのストレートは「速球派の数値」となる。先発として7、8割の力で投げているが、短いイニングなら“トップギアに入れっぱなし”となり、そこに低めに決まるスライダーが加わる。最大の武器であるナックルカーブまで投げ込まれたら、手が出ないだろう。また、「先発での実績=イニング跨ぎ可能」と考えた場合、平野の戦線復帰後もディクソンをリリーバーに固定すべきではないだろうか。「ディクソン−平野」の方程式が確立できるか否かは、東明、ドラフト2位の黒木優太、山崎福也のオープン戦での結果次第だが、「名前を覚えておこう」と思った投手もいた。2年目の近藤大亮だ。

 去年は開幕2戦目で先発という華々しいデビューを飾ったが、右肩痛を訴え、その後は二軍暮らしだった。ブルペンでいちばんのストレートのキレを見せていたのは、近藤だ。キレだけではなく、重量感もある。金子、西、岸田、コーク、山岡、松葉…。ディクソンを先発ローテーションから外したとしても、人材難にはならない。ディクソンは3連戦の初戦を託されることも多かったが、そこを任せてみたいと思えるような投球を近藤は見せていた。投手陣を再整備させた今年のオリックスは、ブキミである。

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