11月に予定されているWBCフライ級王者内藤大助とのタイトルマッチを見据え、ウンベルト・プール(メキシコ)との10回戦に臨む興毅。前日計量では、51.5キロ契約のところ51.3キロで一発パスした。
世界戦という大きな目標も内定し、気合いの入り方もいつもと違う。2007年7月に行われたセサール・ロペス戦以来“封印”してきたパフォーマンスを復活させた。
前回はロペスがアメリカ出身ということもあり、飴玉とリカちゃん人形を出したが、今回はメキシコ出身のプールになぞらえ、興行のスポンサーでもあるコロナビール(メキシコ産)のビンのフタを歯でこじ開けてPR。“広告塔”として「おとなしい亀田じゃ面白くない。亀田流パフォーマンスや」としっかり宣伝活動をこなした。
もちろんパフォーマンスを解禁したのは、ベルト奪取への意思表示だ。「今回マジック1やけど、マジック消してしまうわ」と必勝宣言。試合への出頭を要請していた内藤に返事はもらえなかったが「隅から隅まで見たほうがいい。もうチャンピオンでおられるのも短いし」とあらためて来場を呼びかけた。
それだけではない。「今回は調整もうまくいった」と体調面も万全の状態に仕上げた。3・4さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ以来、半年ぶりの試合となるが不安は一切ない。
それもそのはず。興毅はいつ世界戦が組まれてもいいように常に体調をサプリメントでキープしてきた。ビタミン、たんぱく質、アミノ酸などが不足しないよう「必要なものは食事と一緒に毎日摂ってる」という。
その“薬パワー”もあってか「調子ええな。最高にええんちゃうか」と効果を実感する。二階級制覇に向けて、磐石の態勢を整えた。
なお、興毅と初の揃い踏みを果たす三男・和毅も計量をパス。「まずオレがキッチリ勝って。兄ちゃんは次、二階級制覇やからな」と援護射撃を誓った。