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夜を棄てたキャバ嬢たちVol.6〜外反母趾で引退した明里〜

 先々週のこと、当記事の執筆中突如として右肩に激痛が走り、整形外科に駆け込んだところ、右肩に所謂“軟骨ネズミ”があると指摘され、そのままお休みをいただきました。
 この場を借りて、読者の皆様、ならびに関係者の皆様に深くお詫びを申し上げます。

 さて、今回のケガで思い出したキャバ嬢がいる。
 明里という売れっ子キャバ嬢は、中野区のマンションで一人暮らしをしていた。ただし、賃貸ではない。1LDKの分譲マンションを一括で購入できるほどに稼ぎまくっていた明里だったが、売れっ子にしては後輩たちの面倒見もよく、男性スタッフに対してもとても公平に接していた。店のオーナーに至っては、このまま明里に店を持たせてもいいと思うようになっていたらしい。

 その明里が、突如として引退を宣言したからさあ大変。
 オーナーをはじめとして、他の女の子やスタッフが総出で明里の説得に乗り出した。だが、ガンとして首を縦に振ろうとしない明里に、だんだん皆が苛立ちを募らせていった。
 当時のことを振り返って明里はこう話す。

 「みんな必死すぎって思いました。あたしは、キャバ嬢としてやれることは全部やったし、もう辞めたかった。足はズキズキ痛むし、酒太りするから悪循環。家も買ったし貯金もあるから、当面の生活には困んないから、頼むから治療に専念させてってね」

 明里は、外反母趾に悩まされていた。外反母趾とは、足の親指が小指の方に曲がっていく症状のことで、明里の場合、長時間ラウンドトゥのハイヒールを履いていることが主な原因とのこと。加えて、不摂生な生活による軽度の肥満も、症状に拍車をかけていた。

 「もう、ハイヒール履くお仕事はしたくない。ぺたんこの靴で、ガンガン走り回りたい。朝起きて夜寝る生活がしたい、そんな気持ちでいっぱいでした」
 店総出の明里の説得は、ゆうに半年以上に及んだが、ついに店側が根負けし、明里の引退イベントを大々的にやることでカタがついたという。
 明里は、ゆっくり外反母趾を治した後、時給1100円の事務スタッフの仕事に就いた。明里は今日も、お気に入りのスニーカーを履いて、元気に働いている。

取材・文/三枝めぐみ…キャバからパーティーアテンダントまでありとあらゆる水商売を経験後、小さなキャリアコンサルタント会社に入社。ライターとしても活動中。ツイッターは@MegumiSaegusa

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