そんな『めちゃイケ』は、1996年10月にスタートし、ナインティナイン、よゐこ、オアシズ(大久保佳代子は2000年以降)、極楽とんぼ、武田真治、雛形あきこ、鈴木紗理奈らがオリジナルメンバーとして出演。そして、2010年に岡村が長期休業を発表すると、新メンバーオーディションが行われ、ジャルジャル、たんぽぽ、重盛さと美、敦士、三中元克が加入した。
休業後、わずか5か月で見事に復活した岡村だが、その裏には、ある女優のバックアップがあった。彼が休業して1か月ほど経った頃、携帯電話に差出人不明のメールが届く。そこには「私が必ず救います」と書かれていたという。休業してからも、毎日辛い日々を送っていた岡村は、これに賭けてみよう思い、返信。その相手こそ、過去に映画『無問題2』(2001年)で共演した酒井若菜だった。それから2人は、ほぼ毎日メールのやり取りを行い、酒井は岡村を励まし続ける。そして、彼女のメッセージが岡村の支えとなり、復帰に繋がっていった。
だが、それまで岡村と酒井は、約9年もの間、絶縁関係にあった。
映画の番宣に出演していた頃、まだ2人は、仕事終わりに食事に行くほど、良好な関係だった。しかし、ある日、岡村と酒井は演技などの意見が食い違い、大ゲンカに発展。酒井はのちに、そんなつもりはなかったと語っているが、岡村は当時、彼女にお笑いをバカにされていると思い、大激怒。さらに、岡村が部屋を出ていこうとすると、酒井が「役者バカにしないでください」と言い放ち、岡村は「芸人なめんなよ!」とマジギレした。その出来事を境に2人は疎遠となる。
この当時の心境について、岡村は以下のように語っている。
「そっからもう、あとはメールのやり取りで。『このまま行くと、もう一生会わないですけど、これでいいんですか?』みたいなんが来て、こっちも、『うんうん、全然いいよ』って。『本当にこんな終わり方で、いいんですね?』、『それでいいです』ぐらいのやり取りやった。(略)で、ほんまもういいわ、もう絶交で別にいいわ。多分まあ一生会うこともないやろなぁって、思ってたもんね」
酒井もまた、岡村の連絡先をアドレス帳から消去し、彼がテレビに映ると、すぐにチャンネルを変える程の状況になっていた。だが9年後、酒井は岡村の休業を知ると、消去していた彼のアドレスを奇跡的に思い出し、メールを送信。そこから岡村は、酒井との関係を修復し、再び交流するようになったのである。
今回、22年の歴史に幕を閉じることとなった「めちゃイケ」。だが岡村は、今後も、酒井などの仲間に支えられ、テレビやラジオの世界で新たな奇跡を見せてくれるに違いない。