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2017年キャンプ・オープン戦リポート 新加入選手は「戦力」になるか?(阪神)

 新守護神候補、ロマン・メンデスがフリー打撃のマウンドに立ったのは、2月14日。30球ほどを投げ、ヒット性の当たりはゼロ。同日の投球内容は本人も記者団に答えていたように「コントロール重視」だったが、本当に捕手の構えたところに投げ込んでいた。この時期にしては、けっこう、スピードも出ていたと思う。制球力で自滅するタイプではなさそうだ。また、投球フォームが昨年の守護神・マテオに似ているとも報じられたが、腕の振りにしなりがある。肘の使い方が柔らかく、マテオのストレートよりもボールにスピンが掛かっているような印象を受けた。

 ただ、阪神スタッフがこのメンデスについて語るときの言葉が気になった。「セットアッパーが…」「8回をしっかり抑えてくれれば」――。メンデスからマテオに繋ぐ体制を確立させようとしているのだろうか。一方で、ベテラン・藤川球児のポジションニングが決まっていないとの情報も交錯していた。藤川もハイペースで仕上げており、金本知憲監督は対外試合を消化しながら、決めるものと思われる。

 今年の救援陣は期待できる。メンデス加入も大きいが、リリーバー転向が決まった左腕・岩崎優が良かった。昨季までの岩崎は先発チャンスをもらっても、試合中盤で息切れし、失点を重ねる失敗を続けていたが、「リリーバー=短いイニング」の発想からか、まず、ストレートが速くなった。力をセーブせず、全力投球している。もともと球種も多いほうなので、今年は「左のリリーバー」として、飛躍するのではないだろうか。

 ドラフト2位の小野泰己(22=富士大)は「先発で使う」と聞いている。真っ直ぐは速い。スライダーのキレも前評判通りで、ストレートとほぼ同じスピードから曲がってくるので、対戦チームは“初顔合わせ”のときに相当苦戦するだろう。また、ブルペンを見る限りだが、時々、緩い変化球も投げていた。カーブだと思うが、この変化球が1年目から先発枠でやっていけるかどうかのカギになるだろう。打者一巡はこのスライダーだけで勝負できる。二巡目以降だが、小野のスライダーにはスピードがあるので、対戦バッターはストレートと同じタイミングで待つことができる。この緩いカーブを混ぜられれば「緩急」という2つ目の武器になる。ただ、キャンプ中盤時点では、まだ低めにコントロールされていなかったが…。

 打線だが、キーマンになるのは、三塁のレギュラーを予定して獲得したエリック・キャンベルだろう。「守備難」とは聞いていたが、守備範囲も狭い。テスト的に外野ノックにも参加したと聞くが、外野には福留孝介、糸井嘉男がいて、昨季新人王の高山俊、江越大賀らが「最後の左翼手」を争うほどの飽和状態だ。フリー打撃を見る限り、キャンベルの4番は厳しいと思った。4番は福留に任せ、7番あたりに置いたら、逆に脅威だと思うが…。

 昨秋キャンプに引き続き、牽制、クイックなどの練習に時間を割いていた。しかし、ショートの北條史也にも「レギュラー確定」はまだ出されていない(2月20日時点)。一塁、二塁、三塁、遊撃、そして、捕手までが入れ代わって、順番にこなしていただけだ。気になったのは「牽制−挟殺プレー」で、たとえば、投手が二塁牽制球を放った場合、遊撃手が北條の順番に当たった投手と、鳥谷に当たった投手が出ていた。もっといえば、鳥谷と1回も当たらなかった投手も出た。レギュラーをいったん固定し、各々の呼吸というか、タイミングを確認する機会も必要ではないだろうか。レギュラー争いが激化するのはけっこうだが、こうした“弊害”も気になる。

 ドラフト1位・大山悠輔はスイングスピードもあり、「飛ばす」ことに関しては一流の資質を持っている。オープン戦でプロ投手のストレートにも振り遅れないようであれば、金本知憲監督はスタメン・サードの華々しいデビュー舞台も考えているのではないだろうか。

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