ソフトバンクが獲得を発表し、各方面で大きな話題を呼んだ全米ドラ1右腕のカーター・スチュワート。3日の入団会見に引き続き、4日に首脳陣・チームメイトと挨拶を交わしたことが報じられている。
報道によると、本拠地ヤフオク!ドームに出向いたスチュワートは、工藤公康監督や松田宣浩らと交流。また、5日からは二軍の施設で練習を開始することも合わせて伝えられている。
当初の進路であったメジャーリーグからはいったん離れ、6年総額700万ドル(約7億7000万円)の契約でソフトバンクに入団したスチュワート。6年後に堂々とメジャーへの帰還を果たすため、当面は二軍、もしくは三軍で経験を重ねる見通しとなっているが、2日に一軍戦を観戦した際には気づいた観客がサインを求めて殺到するなど、早くも人気が過熱し始めている。
ただ、やはりというべきか、その人気は悪い方向にも影響を及ぼし始めている。現時点ではまだ1球も投げていないにも関わらず、ネット上に転売品が出現しているのだ。
某大手オークションサイトを見てみると、スチュワートのサインが入ったボール、色紙がそれぞれ1点ずつ出品されている。この2点はどちらも5000円の値札が付けられており、ボールに関しては既に入札も記録されている。
現時点でこのような状況ならば、今後活躍すればもっと食指を伸ばされることは想像に難くない。場合によっては、今年2月に発生した中日・松坂大輔の“右肩破壊”のような危険に見舞われるリスクも出てくるだろう。
冒頭のようなキャリアを持つスチュワートの育成は、同様の有望株が日本を経由するルートを確立するためにも重要な意味合いを持つ。そんな選手が一部の暴走で“傷モノ”になったとあれば、日米両国で大騒動が巻き起こることは必至だ。
いらぬリスクを回避し安全に育てるために、まずはファン対応のやり方から教え込んだ方がいいのかもしれない。
文 / 柴田雅人