『陸海空』は2017年4月より、毎週火曜23時15分に放送を開始。近年のバラエティー番組では珍しい未開の地へのガチンコ取材や、出演タレントを差し置いて一人だけ目立つ破天荒ディレクター「ナスD」の奇行などが、視聴者の間で大きな話題となり、同年10月からは毎週土曜日22時台に枠移動となり、テレ朝を代表するバラエティー番組のひとつとなった。
ところが、枠移動してから半年後、『陸海空』は以前のような従来のバラエティーにはない攻めた企画は行われなくなり、「地球で一番有名な日本人は誰?」「○○人おすすめの日本グルメ」というアンケート企画ばかりとなり視聴率も急落。2018年8月には年内打ち切り説がネットで囁かれ、数日後の放送で、司会のバイきんぐ小峠英二が「打ち切りの話はありません」と放送中に釈明するなどの珍事もあった。
結果的に『陸海空』の打ち切りは免れ、古巣の深夜枠へと舞い戻ることとなったのだが、2月23日にAbemaTVで放送された予告編を見る限り、従来の企画は大きく見直されることとなり、「虫だけを食べる一週間生活サバイバル」「一週間ビーフジャーキーだけを食べる」「一週間パンイチでパンだけを食べる」といった、かつて同局で人気を博した番組『いきなり!黄金伝説』(1998年〜2016年)を彷彿とする企画をメインに放送されることになりそうだ。
そのため、ネット上では「どれも黄金伝説で見た企画ばかりだな……」「テレ朝は黄金伝説を復活させたいだけなの?」といった声が相次いだ。もっとも、『いきなり!黄金伝説』は放送終了後も復活を希望する声が多く、同番組のスピンオフ企画である『0円無人島生活』が定期的に制作されているほか、『陸海空』の名物ディレクター「ナスD」は、元は『いきなり!黄金伝説』の担当ディレクターだった人物である。
二転三転のテコ入れの結果、落ち着いたのが、「往年の人気番組のリメイク」とは……『陸海空』の迷走もここに極めけりである。