道警は7月23日、署長在任中に出張旅費を不正に受給したとして、本部交通部付の男性警視(55)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。
警視は不正を認めており、24日付で辞職。不正に受け取った金は全額返済する意向。道警は事件としては処理しない。
道警監察官室によると、警視は興部署長だった今年1月と2月の計2回、札幌市で開かれた警察署長会議などに出席する際、JRやバスの公共交通機関を利用すると届けながら、実際には部下の車で送ってもらい、旅費計4万1760円を不正受給した。
3月に警視は高速道路交通警察隊長に異動したが、その後、不正受給が発覚したため更迭され、5月30日付で本部交通部付となっていた。
ごまかした額は、わずか約4万円。たった、それだけの額で辞職にまで追い込まれるとは、いささか気の毒な気もする。しかし、不正を行った当時、警視は署長職に就いており、その立場を利用した悪質な行為ともいえる。
辞職といっても、懲戒免職や諭旨免職ではなく、自発的な退職であるため、退職金はしっかり出るのであろう。
せっかく、署長まで上り詰めたのに、たった約4万円の不正で辞めざるを得なくなったとなると、格好は悪い。
安部雅弘監察官室長は「指導・監督をさらに徹底し、再発防止に努める」とコメントしている。
(蔵元英二)