プロゴルフ界の話題はといえば、今やハニカミ王子こと石川遼(17)の動向ばかりで、かつての日本の顔であるジャンボ尾崎将司のことなど、誰も気にも留めていないのが現実だろう。
ジャンボはプロ転向以来、実に計113勝を飾り、国内ツアー賞金王に12回も輝くなど、その功績は右に出るものナシ。「60歳を超えてもなお、シニアではなくレギュラーツアーにこだわり続け、第一線で挑戦し続けていますね」(ゴルフ誌記者)
しかし、そんな輝かしい実績のあるジャンボだが、よく知るスポーツ用品会社関係者は、「ここ最近、急速にしぼみ始めている」と指摘するのだ。確かに、今年に入って計7戦に出場しているが、途中棄権が2試合、予選落ちが3試合。残りの2試合はやっと予選通過するも54位、56位と惨憺(さんたん)たる結果しか残せていない。かつてのあの飛ぶ鳥を落とす勢いがあったジャンボからすれば、まさに地獄に落ちてしまったといっても過言ではないのだ。
「周囲では“ジャンボさんはボケが始まってしまった”といわれているんですよ。ボーッと一人でレストランのいすに長時間座っていることがあったり、練習場でも、クラブを握らずにただベンチに座って、遠い目で他人が打つボールの行方を目で追っているなんてことがあるんです」(同)
さらに、驚くことが起こっていた。あるギャラリーが目撃談を語る。
「ティーグラウンドでこれからティーショットを打つというときに、ティーを刺すのではなく、ボーッとしてマーカーを出してティーグラウンドに置きそうになったことがあったんですよ。おいおいジャンボさん、グリーン上と間違えちゃったのかよ、大丈夫かよと、そこにいたみんなが凍りつきましたね。あれにはホント驚きました」
ほかにもトーナメント関係者によると「スコアの数え間違いなんてしょっちゅうですよ。まぁ過少申告グセは昔からですけど(笑)」とのこと。
さらに、石川が優勝した先日のミズノオープンが開かれた兵庫・よみうりカントリーはアップダウンの激しいコースだったため、ジャンボは終始悲鳴をあげていたという。「ちょっと坂を上がっただけでフーフー言っていたのでビックリしましたね。ここにきて体力が一気に低下してしまったみたいです。なんか姿勢も悪くなった感じがしたし、持病の座骨神経痛が治らないようで、とにかく印象がヨボヨボじいさんみたいになって、かわいそうでした。前はあんなに堂々と、いつも風を切って誰よりも前を歩いていたのに…」(前出・ギャラリー)
肉体的な衰えが精神的にも悪影響を及ぼし、心身ともに衰弱してきてしまったということか。
このところ話題は常に遼クンに持っていかれている。かつてはテレビカメラもギャラリーの目も、そのほとんどがジャンボに向いていたものだが、今は昔のこと。
「近い将来に、ジャンボが活躍していた時代のことなんて、まったく知らない世代がゴルフ界を席巻するようになります。もはや居場所は徐々になくなってきているのかもしれません」(前出・トーナメント関係者)
ヨボヨボで歩みもおぼつかないジャンボの弱々しい姿なんて見たくないが、かつての英雄にも着実に老いは訪れてきているということだろうか。
もう一度グリーン上で長いウイニングパットを決めて、パターを刀に見立てて、腰のサヤに収める、ジャンボ独特のパフォーマンスを見てみたいものだが…。