まず、ロウ女子王者のナイア・ジャックスとナタリアがシングル戦で対戦。ナイアへの挑戦が決定している初代UFCバンタム級王者で、北京五輪女子柔道70kg級銅メダリストのロンダ・ラウジーもテレビ実況席でゲスト解説した。
ナタリアはスピーディーな動きでナイアを翻弄するが、右足を踏み外すアクシデント。ナタリアが足を痛めたのを見て、勝機と見たナイアが瀕死のナタリアを持ち上げ、必殺のサモアンドロップを放った。ナタリアは3カウントを聞く以外の選択肢はなかった。
試合後も立ち上がれないナタリアの元にロンダが駆けつけると、同じく心配した様子のナイアと一触即発の事態に。ロンダはナイアをにらみつけると「帰れ」と叫び、リングを後にした。しかしバックステージでも再びナタリアをめぐってロンダとナイアが口論に。ナタリアは呆れ顔でその場を後にしたが、ナタリアを含めたオンナの三角関係がMITBでの王座戦に影響を与える可能性はあるだろう。
メインではMITBラダー戦の出場が決定している元新日本プロレスのプリンス・デヴィットことフィン・ベイラーとケビン・オーエンズがシングルで対戦。序盤から中盤にかけては、体格差で不利なベイラーが、ジョン・ウー、ファイナル・カットと立体的な攻撃をベースに、オーエンズに向かっていった。オーエンズは場外に回避するなどインサイドワークを駆使しながら、ベイラーを追い詰めていく。オーエンズの姿にファンの目は釘付けになった。
しかし、試合途中にエキサイトしたオーエンズは、レフェリーの制止や反則カウントを無視して、ロープをつかみベイラーにストンピングを続けて放った。オーエンズに攻撃を止める気がないと感じ取ったレフェリーは、ベイラーの反則勝ちと裁定。しかしこれに納得がいかないオーエンズは抵抗。コーナートップからフロッグ・スプラッシュを見舞った。さらにラダーを持ち出してリングにセットし、ラダー上部から再びフロッグ・スプラッシュを狙った。
しかし、高所恐怖症?のオーエンズが飛ぶことをためらっている間にベイラーが復活。ファンからは大きな歓声が上がった。オーエンズがラダーから落ちたのを確認したベイラーは、ラダー最上段に昇り、ためらうことなく必殺のクー・デ・グラ(ダイビングフットスタンプ)を決めてオーエンズをKO。さらに天井に吊られたブリーフケースを取ってMITBラダー戦のデモンストレーションを行った。
MITBでベイラーが優勝すればAJスタイルズや中邑真輔のように、WWEのシングル戦線に食い込める。このチャンスは生かしたい。
文 / どら増田
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