左がKO-1氏、右が友人のAさんである。この写真はKO-1氏の所有する車のなかで撮られたものである。
画面の中央によく注目してもらいたい。KO-1氏とAさんの間になにやら女性のような、のっぺりしたような顔面が写っているのがおわかりいただけるだろうか?
目が細く、口元が小さいその顔はまるで清少納言をはじめとする女性の肖像画のように見える。さらにその下にはもうひとつ肌色の顔をした物体が確認できる(もっとも、こちらはKO-1氏の手の可能性が高い)。
KO-1氏の話によると、この写真は「Aさんが彼女に今はKO-1と二人で遊んでいる」という証拠のために撮られた写真とのこと。つまりは「浮気ではない」という証明のため撮られた一枚だったわけであるが、この写真をAさんの彼女に送ったところ「後ろに誰か写っているじゃない!」と指摘され、はじめて謎の女性の顔に気が付いたという。
いわば、ホラードラマなどでよく見かけるかなり古典的な「幽霊登場」シチュエーションだったわけだが、これにはさすがのKO-1氏も「これまで映画でよく見ていた出来事が本当に起こるなんて…」と苦笑いしていた。
さて、古くから車と幽霊は密接な関係があるのか、実に怪異が起こりやすい場所である。交通事故など直接「死」に繋がるイメージが強くあるからだろうか?
日本では江戸時代から車にまつわる妖怪が数多くおり、なかでも代表的なものは「朧車」(おぼろぐるま)という妖怪だろう。
「朧車」は牛車に顔のついたような妖怪で、牛車のスペースに収まりきらないほど巨大な女性の顔付牛車が深夜を爆走するという実にはた迷惑な妖怪だ。
この写真に写った女性は、そこまで大きくないものの、まさに日本人的な顔をしており「朧車」の特徴によく似ている気がする。
この顔の正体は現代を生きる「朧車」だったのだろうか…?
(写真提供:『世紀末バラエティー ラフ&ビート』http://www.mopal.jp/mopal-new/index.php/laughandbeat/)
(文:山口敏太郎事務所)