本番組はレギュラーの徳光和夫、田中律子と、週替わりのゲストが東京都内の路線バスに乗り込み、自由気ままに旅をする番組。その自由すぎるスタイルから徳光がバスの中で熟睡してしまったり、競艇場に行きギャンブルにのめり込むなどハプニングも多く、一部視聴者の間で「カルト的」な人気を誇っている。
スペシャル版では本番組の「大ファン」を自称するマツコ・デラックスや、ミッツ・マングローブ、村上佳菜子などが登場。ゴールデンタイムにふさわしい豪華な特番仕様で放送された。
その一方、徳光和夫はあまり「ゴールデン特番」であることを意識していなかったのか、いつも通り「暴走モード」に突入した。
錦糸町駅前で赤ん坊を泣かせてしまったときはマツコを指して「こいつ見て泣けよ!」と暴言を吐いたほか、昼食で入ったイタリアンレストランでは、料理を持ってきた女性店員に対し「愛嬌はあるけどあまりきれいじゃないよね」「正直失敗だったな」とボヤくなどやりたい放題。また「三度の飯より好き」と豪語する競艇レースでは、1レース目から2万4000万円をすり、「ダメだ」と舌打ちしうなだれたあげく、ゲストが待っているのにもかかわらず、レース予想を続行。さらに大金をつぎ込んだものの、レース途中で転覆してしまったレーサーに対し「下に降りてって、てめぇ泳いで帰れよ! と言いたいな」と暴言を吐いた。
これらの徳光の暴走は『路線バスで寄り道の旅』ではおなじみの光景ではあるが、これまで『路線バス』を見たことがない視聴者にとっては衝撃的だったらしく、ネットでは「あまりに失礼すぎるのでは?」「テレビを見てて不愉快になった」との声が相次いでいた。
本来、この枠ではテレビ朝日系が誇る高視聴率番組『ポツンと一軒家』を放送しており幅広い世代がテレビを見る時間帯となっている。
視聴率15%という数字は、『ポツンと一軒家』の視聴者がそのままスライドしたほか、マツコ・デラックスというお茶の間の人気者が出演したことによる数字とみられ、「やりたい放題」が売りの『路線バスで寄り道の旅』のコンセプトとは合わなかったとも考えられる。
テレビ朝日としては、「ネタ切れ」が心配される『ポツンと一軒家』の後継番組として『路線バス』を育てていきたいのかもしれないが、一般視聴者には「早すぎた」特番だったのかもしれない。