アキバに来たことのない人もアキバに行ったらまずメイド喫茶に行ってみたいという人が少なくない。これら全部をひっくるめたいわゆるコスプレ系喫茶店はアキバブームとともに広く認知されることとなった。しかし、知っているだろうか? コスプレ喫茶がここまで大流行する前にわずか8か月で閉店となった幻の喫茶店、立地は抜群、コンセプトも良かったにも関わらずまったく当たらなかった通称「ガンダムカフェ」を。そう、これこそが私たちFICEが開店から閉店まで店員をやっていた「アキバカフェ」なのである。
2002年3月「アキバカフェ」は秋葉原の名物ビル「アキハバラデパート」通称「アキデパ」の3Fにできた。アキデパは1Fの実演販売が有名な庶民的デパートで、もともと紳士服や日用品がメインだったが、つくばエクスプレスの開業やアキバの客層の変化にあわせて総合ヲタクビル化を目指し、3Fをガンプラ、Nゲージ、ゲーム等の売り場に改装、そしてJR総武線のデパート口改札の目の前という人通り最高の場所に「アキバカフェ」を開店した。
コンセプトはズバリ「ガンダム」。ちゃんと版権もクリアし入り口と店内中央には人間大ザクが仁王立ち。壁にはTVモニターが一面にはまっていてガンダムのPVが流れている…。でもコケたんだな(爆)いやぁ〜いまだから言えるけどね、のっけからいろいろ障害ありでしたよ。まずは公式制服の使用許可がおりなかったこと。なんでもコーヒーこぼしてお客さんにかけたらガンダムの印象が悪くなるからとか。そういうもんなんですかねぇ? で、しょうがないからパーティーグッズのスッチーの衣装を改造して宇宙船乗務員風に。けっこうお客さんにきかれましたね、「それ何ガンダムの制服ですか? 知らないんですけど!」って。笑ってごまかすしかなかったです。なんだかんだで最初は話題になり、ガンヲタのみなさん来てくれました。でもメニューも普通だし内装も青基調でスペイシーではあったけどそれ以外なにってわけじゃなかったのでちょっとしたら落ち着いちゃいました。そもそも運営していたのがもとのアキデパ社員だったからガンダムとかまったくわからないで喫茶店経営してましたからね。でもバイトがフォローしてガンプラおいたり食玩並べたりしてヲタ空間なんとかつくってったんですがここで最大の転機、なんと3か月で版権がきれてしまい更新できなかったんです。こうしてガンダムカフェはある日突然「しいたけカフェ」に変身しました。なんか経営してた会社がたまたましいたけのキャラクターの版権もってたとか。でも続くわけがなく8か月で閉店しました。
今思えばまだ正当派メイド喫茶しかなかった時代、ちょっと早すぎたのかも。なんでもありの今なら違う結果になってたかもね。
<プロフィール>
FICE(ファイス) 完全人型アンドロイド(2001年2月製造、FIRE(炎)+ICE(氷)=FICE)のアニメビジュアルパフォーマンスユニット。
アキバを中心にオリジナルCDを引っさげてパフォーマンス活動によって 人々の心の平和とどこからともなく現れる敵から街の平和を守ってます。近年では、ライブハウスでの活動がメインとなり、2007年は年間201本達成と活躍中。