夜7時すぎ。電気街口前に黒山のひとだかりがあった。マイクを握ったミニスカートの女性がカメラの猛フラッシュを浴びて歌っている。お世辞にも歌が上手いとはいえない。ノリノリで踊り、腰を揺らすたびにミニスカートの奥のパンツがのぞける。“お姉さん系”の言葉づかいで観衆にイベント告知やオリジナルグッズ購入などを呼びかけ、最後に耳を疑う言葉を吐いた。
「パンツは3000円からだよ」
本気で下着を売るつもりか?観衆のあいだを割って登場した警察官が「ダメって言ったでしょ」「どこから来たの?」と責める。その場は素直に撤収したが、駅の反対側でライブを再開した。
地面すれすれにカメラを構える中年男性に「すごい“ローアングラー”だね。いいよ。遠慮しないで撮っていいからね」と挑発。片足を思いっきり蹴り上げる振り付けでは、完全にパンツが見える。取り囲む群衆が5人、10人、20人と増えていく。「パンツは5000円から。買いたい人」となぜか値上げして挙手をうながすが、誰も手を上げない。するとミニスカに手を突っ込んでパンツを膝までするり。「パンツいま売ったらなくなっちゃうからやばいか」と再びずり上げ、パンチラキックを連発。後ろ向きになって腰を折るようにすると下半身に激しいフラッシュが…。
「サービスするから買えよ」と命令口調の女性。過激なパフォーマンスについての真意を直撃すべく見張っていたが、ちょっと目を離したすきにライブは終わり、女性の姿はもうどこにも見当たらなかった。