この日の阿部は4回に勝ち越しとなるソロ本塁打を放ち、守備でも投手陣を巧みにリード6-4で逃げ切った。これで巨人は2勝1敗と白星を先行させる形となった。
なんといってもこの短期決戦でカギを握るのは阿部の出来。シリーズ先発のオビスポが7四死球を出しながらも2失点で収まったのも阿部の好リードがあったからこそ。阿部は「ああいうピッチャーを操縦するのが僕の仕事なんで。とにかくオビは、変化球主体のピッチャーじゃないし、真っすぐでいける」と振り返った。
原監督も「オビスポはちょっと自分も辛抱強く使ったなと」と、本来であれば早期交代もあり得たことを明かした。
阿部は昨年はリーグ優勝を決めた試合で右肩を負傷。ポストシーズンでマスクをかぶることはなく、チームも日本一を逃した。それだけに今回に懸ける思いもひとしお。
今シーズンの巨人には、グライシンガー、ゴンザレス、オビスポ、クルーンと4人の外国人投手がいる。調子のいい時は手がつけられないが、悪い時も手の施しようがない。いわゆる“ムラっ気”がある。阿部がアメとムチを使い分け、外国人四天王を使い分けることが出来るかが巨人Vのカギを握っている。