この日は初公判で、1日で公判が結審する「即決裁判」が適用された。検察側の冒頭陳述などによると、倖田被告は、AV時代の同僚から密売人を紹介され、昨年7月から覚せい剤を月1回のペースで購入し、主にあぶって使用。購入のため、これまで25万〜30万円をつぎ込んだという。
また、今年8月からは、交際相手の元プロテニスプレーヤーの宮尾祥慈被告(27=大麻取締法違反で起訴)と大麻を吸引していたという。
手錠に腰縄をうたれて入廷した倖田被告は、地味なジャージにサンダル、金髪を後ろで束ね、AV時代のド派手なギャル系の外見とはまるで別人。終始、消え入りそうな声で、難病を抱える母が情状証人として証言台に立つと、涙を流すひと幕もあった。薬物を使用した理由について、「やりがいのあった前の仕事(AV)を辞め、ホステスをしていたが、やりがいのない気持ちを前に向けるため」などと説明した。
「薬物を使用する前の昨年5月には愛する祖父を亡くし、ショックから当時交際していた彼氏をふって、寂しさが募り、薬物に手を出してしまったそうです。取調べの段階では話したそうだが、法廷では、芸能人との交友関係については全く話が出なかった」(司法記者)
倖田被告の交際相手としてこれまで報じられているのは、ジャニーズ事務所に所属するKAT-TUNの田中聖、TOKIOの長瀬智也。そして、宮尾被告は「KAT-TUNの赤西仁、城田優、NEWSの山下智久ら“赤西軍団”のボディーガード兼運転手として知られていた」(芸能プロ関係者)。そのためジャニーズタレントとの関係は捜査当局も大いに注目していたようだ。
「当然、その線につながることを予期して倖田・宮尾両被告を逮捕したが、2人の供述では全くつながらなかった。ジャニーズ側も素早く対処し、2人との無関係ぶりを主張したため、捜査の手が広がることはなかった」(捜査関係者)
ジャニーズといえば、今年夏に一部週刊誌で報じられた「嵐」の大野智の“大麻使用疑惑”もあっただけに、火消しに躍起になるのは当然のこと。
結局、倖田、宮尾両被告の逮捕・起訴は“とかげの尻尾切り”に終わり、芸能界への波及はなさそうだ。