第3問では、「次の資料にもとづいて、X4年度(X3年4月1日からX4年3月31日まで)の連結精算表(連結対照表と連結損益計算書の部分)を作成しなさい」という問題が出題。しかし、資料を読み解くと、連結子会社が2つある上、支配獲得日(親会社が子会社の支配を獲得した日)がそれぞれ異なり、過去にない難問となっていた。
これについて受験後、ネットには、「落とすために作った試験としか思えない」「2級で連結会計を問う必要あるの…?」「完全に2級の範囲を逸脱してる」といった苦言が殺到。また、「X3年4月1日からX4年3月31日まで」を「X4年度」としたことにも困惑が広がっており、「『X3年度』のミスでしょ」「問題文が気になって試験に集中できなかった」といった声が聞かれた。
これらの声を受け、日本商工会議所は25日に公式サイトを更新し、「第151回簿記検定試験2級の問題について」という文書をアップ。そこで問題文の「X4年度」の表記について、「国の会計年度では、X4年度とした場合、X4年4月1日からX5年3月31日までを意味しますが、欧米企業や日本の企業の一部では、決算日で区別してX3年4月1日からX4年3月31日をX4年度とする場合があり、本問題はそれに倣ったものであります」と説明していた。
しかし、これについても、「これまで過去問に1度も出たことないのになんで急に欧米表記!?」「日商簿記って、日本企業の経理財務が通常行うであろう簿記を前提にしているんじゃないの?」「国の会計年度よりも欧米企業や日本の一部の企業について理解していることの方が2級を取得するために必要なことなのか」といった批判の声が相次いでいる。
第3問をめぐっては、専門学校の「東京リーガルマインド」が試験後にアップした講師による解答速報動画の中で、「駄問って言ってもいいのかな? 会計士の試験で出ない、公認会計士やるような子達が知らないのに、日商簿記2級は知らなきゃいけないですか? そんな事ないでしょう」と苦言。さらに、「この連結は到底2級の問題ではない。駄目だこれは、誰がどう見ても」と断言していた。また、「ネットスクール」も速報動画の中で、「これ解けたって人は、まず居ないんじゃないかと思います」「第3問、正直言ってひどいと思います」と批判。受験者から賛意の声が集まっている。
年々難易度が高まっているとも言われている日商簿記2級検定。第3問をめぐっては救済を望む声も出ており、いまだ困惑が広がっている。
記事内の引用について
日本商工会議所検定試験公式サイトより https://www.kentei.ne.jp/
東京リーガルマインド公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCbtxA6jxNOVKJzGEpXbnjGg
ネットスクール公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCfoDHgEdJUVitmO3HFhsN0A