森は8日、生放送のNHK「歌謡コンサート」(火曜午後8時)に出演。番組冒頭で、前川清(59)ら共演者とステージに並び、森が表して追悼コメントを出した。騒動についても触れ、「直接お目にかかって気持ちをお伝えしたいと先生にお願いしてきましたが、今ではそれもかなわないことになってしまいました」。
この公演で、前川は川内さんから提供された楽曲を披露したが、森は歌唱を自粛している川内作品は歌わなかった。
そもそも“おふくろさん騒動”が勃発したのは昨年2月。森が無断で「おふくろさん」の歌詞を変えて歌唱したとして、川内さんは「もう歌ってほしくない!」、「(森は)人間失格だ!」など“歌唱禁止令”を通告。森は青森の川内さんの自宅を訪れるなど、何度か直接謝罪しようと試みたが、結局、直接謝罪できないまま川内さんは亡くなってしまった。
森と川内さんの会談は実現しなかったわけだが、水面下では様々な動きがあったという。
「川内さんが機嫌をそこねたのは、おととしの紅白を見てのこと。そこで、昨年の紅白で2人を和解させようというプランもあったのですが、川内さんの体調が優れなかったため実現しなかった。ほかには、芸能界の実力者が動いて、森以外の歌手に『おふくろさん』という動きもありましたが、デリケートな問題なだけに実現しなかった」(芸能プロ関係者)
では、今後、森が「おふくろさん」を歌うことはあるのか?
「川内さんは昨年3月、森による川内作品の歌唱禁止を日本音楽著作協会(JASRAC)に申告。そのため森が冒頭のセリフを付け足した『おふくろさん』の“改変バージョン”は歌えない。しかしオリジナルの『おふくろさん』や同じく川内作品の『花と蝶』などは著作権法上の問題はなく、森の判断次第」(芸能プロ関係者)と、著作権的には可能なようだ。
しかし「川内さんが亡くなった今、『おふくろさん』を歌うとすれば、周囲の反発は必至。森はそこまでリスクを犯して歌うことはない」(音楽関係者)と言うように、実際のところはかなり難しいようだ。
なお、川内さんは8日、青森・八戸市斎場で荼毘(だび)に付され、参列した親族や秘書ら関係者約10人が最後の別れを告げた。今後「しのぶ会」などが開かれるかどうかは未定だ。