といっても初詣の話ではなく、御苑内にある「清正井(きよまさのいど)」人気が沸騰しているのだ。写真を携帯の待ち受け画面にすると願いが叶うという噂が広まり、連日行列ができるほどの人が訪れているという。(1月9日付朝日新聞)
清正井は、明治神宮御苑(入場料500円)の中にある、石垣に囲まれた小さな泉のような場所。底に埋められた桶から水が湧き出ている、都内でも珍しい湧き水の井戸だ。この場所はもともと熊本藩主・加藤家の下屋敷があり、加藤清正が「土木の神様」ともいわれたのが井戸の名の由来とされている。
この清正井、数年前から有名人がブログで紹介した影響で、パワースポットとして知られてはいた。それが昨年末にテレビで紹介された途端、行列ができるようになったという。多いのは20〜40代らしい。午前9時の開園前から、午後4時半の閉園間際まで行列が続き、平日でも2〜3時間待ちの時もあるという。子どもの合格祈願や恋愛成就など、訪れる理由もいろいろのようだ。
明治神宮側は「願いが叶うパワースポットのような取り上げ方には戸惑いがある」と、正直困惑気味の様子。
それでも訪問客のために、待ち時間がわかるように入口に掲示を出すようにした。また神宮側は、「何百年もきれいな水が湧き出る清正井に、現代人なりに自然に対する畏敬の念を感じているのかも。単なるブームではなく、自然を大切にする心にまでつながればいいが」とも話しているという。
不況が続き、何かと不安の多い今の世の中。たとえ気休めだとしても、困った時の神頼みの心境になる人が多いのかも。しばらくこのブームは続くかもしれない。
これからは、パワースポットを携帯の待ち受け画面で身に付けて、ご利益を願う時代になるのだろうか。お守りやお札は古くさいし持ち運びが面倒、携帯ストラップなどのグッズより手軽で、何といっても無料で済む。ちょっとお手軽な気もするが、これも21世紀の新しい信心の形かも。
(横浜 六太 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou