格の違いを思い知らされた。戦極ライト級王者の北岡悟とのワンマッチ。戦前に「倒すための武器を用意している」と予告していたように、得意の打撃で一矢報いるハズだった。グラウンドを避けてスタンドの攻防に持ち込みたかったが、ゴング直後にテークダウンを許し、攻撃を封じられた。
もはや相手の土俵では何も成す術がなかった。フロントチョークで捕獲されてピンチ到来。態勢を入れ替えてなんとかこの窮地をしのぐも、立ち上がろうとした際に今度は足首をガッチリ固められてしまい、万事休す。1分26秒、アキレス腱固めにタップした。
一矢報いることなく完封負け。「2枚も3枚も上の次元の人だった」と格の違いを実感させられた。大みそか「Dynamite!!」でアンディ・オロゴンにKO負けを喫し、これで2連敗。試合後はパンクラス側に「大みそかに大失態して、ここで負けてランカーというのはない。ランカーから外して下さい」と悲壮ば要請した。
自らそう申し出るのも無理はない。北岡戦前から逆境に立たたされていた。大会直前に坂口道場の東京・狛江道場が今月30日で閉館することが決定。「前後1週間はショックだった。試合に集中したいんですが、柔道教室の子どもたちへの対応などもあって…」と、事務作業に追われて疲労困ぱいだった。
そんな状況から、閉鎖する狛江道場を主宰していた実父の“荒鷲”坂口征二に対し「発表を1カ月ずらしてほしかった」と不満もあった。それどころか「オヤジにはムカついている」と、怒りすら覚えていたという。
今後は自らが切り盛りする横浜の坂口道場で再起を目指す。「横浜の道場でいちから出直します」と宣言した。