海外ニュースサイト『The Sun』は3月28日、オーストラリア人男性、ダン・ロイヤルズさんの舌が、エナジードリンクの飲みすぎで溶けてしまったと報じた。
同記事によると、教師として働いているダンさんは、仕事が忙しくなるとエナジードリンクを飲む習慣があり、1日に5〜6本ほど飲んでいたという。しかしある日、舌がヒリヒリと痛んだため、鏡で自分の舌を確かめると、表面がただれて中央部分がクレーターのように溶けていたそうだ。
慌てて病院に行くと、医師は「エナジードリンクの飲みすぎ」だと診断。ダンさんが飲んだ、海外で発売されているエナジードリンク1本に含まれる糖分は約58グラムだが、これは世界保健機関(WHO)が推奨する成人男性1日当たりの糖分の摂取量、25グラムを大幅に上回る。さらに医師はエナジードリンクに含まれる添加物も舌を溶かした原因ではないかと話したそうだ。ダンさんは喫煙者であるものの、歯磨きは毎日欠かさず、しっかり口腔ケアもしていたとのこと。そのため「舌へのダメージはエナジードリンクによるもの」と強く訴えている。
エナジードリンクによるトラブルは、これまでにも世界で話題になることが多かった。2015年8月には、毎日28本のエナジードリンクを飲んでいた北アイルランドの女性が失明の危機にさらされたというニュースがあり、2019年2月にはイギリスで、1日6本のエナジードリンクを飲んでいた男性の歯がボロボロになったというニュースがあった。
今回の舌が溶けたニュースも世界中に拡散されたが、ネット上では「自分もエナジードリンクを飲んでいるけど今のところ大丈夫だけど」「こんな事例があるならすでに販売禁止になっているはず」「体質にもよるのでは?」といった声が挙がり、エナジードリンクが健康に及ぼす影響について懐疑的な人が多かった。
しかしエナジードリンクについては、すでにWHOが「糖尿病リスクの増加」「肥満」「心臓発作や脳卒中のリスクの増加」「虫歯リスクの増加」の可能性があると発表している。また、2018年、カナダのウォータールー大学が12〜24歳の2055人の若者を対象にエナジードリンクの摂取による健康への影響を調査。25パーセントの若者が睡眠障害に陥り、20パーセントの若者が頭痛を訴えたとの研究結果を報告している。この研究結果を受け、同大学は「エナジードリンクが健康に害を及ぼすことは明らかだ」と結論づけている。
海外では未成年にエナジードリンクを販売することを禁止している国もある。2014年、リトアニアでは、18歳未満の未成年者へのエナジードリンクの販売を禁じる法律が施行された。また、イギリス政府も2018年、イングランド地域でエナジードリンクを未成年に販売することを禁止する方針を示している。
なお、海外ニュースサイト『METRO』も同様に、ダンさんの舌が溶けたニュースを3月28日に報じている。エナジードリンクは虫歯リスクを高めるほか、口内の組織を破壊する可能性があるという専門家の意見を掲載。エナジードリンクの影響でダンの舌が溶けたのではないかと推測している。
疲れた時や仕事を頑張らなければならない時、ついついエナジードリンクに頼ってしまう人も多いかもしれない。しかしそこには少なからずリスクがあることを知っておくべきだろう。